トキドキ☆ブログ

トキドキブログは、YouTuber トキドキTV(トキドキテレビ)の公式ブログです。

★冤罪で殺されたら異世界に飛ばされました!★

私は恵まれている…はずだった…
優しい両親に、頼りになる2歳上の兄、可愛い3歳下の弟…
宮殿の様な大きな家で、何不自由のない贅沢な暮らし…

その家の一角にある、まるで図書館のような広い部屋には、沢山の本が並んでいる。
そこで動物や昆虫の図鑑を見るのが、毎日の楽しみだった5歳の女の子。
この物語は、幸せになる予定だった?この少女から始まる。

高い窓から、爽やかな朝陽が溢れる部屋…
その光を浴びてキラキラと光る、フォークやスプーン…
白基調のお皿やカップには、鮮やかなブルーの模様に、細かな金細工が入っている。

そのお皿の上には、焼きたてのフワフワなパンに、朝採り野菜の新鮮なサラダ…
厚めのベーコンの上に、ふっくらと盛り上がった目玉焼き…
朝から素材を厳選した、とても豪華な料理が食卓に並んでいる。

ゆっくりとスープを飲み終え、母は優しく微笑みながら言った。
「舞は将来、何になりたいのかな?」
「舞は自由に生きて良いのよ、好きな事をして幸せに暮らしなさい」

「うん、私はね…私は大きくなったら沢山の動物たちと、ずっと…ずう~っと、一緒に暮らすの」
満面の笑みで答える舞。

足元には愛犬の【ココ】が寝転んでいた。
穏やかで優しい性格の【ココ】
なぜか舞に一番なついて、いつも傍を離れなかった。

そんなある日、【ココ】が倒れた。
息が荒く熱もある。
「【ココ】!大丈夫? どこが痛いの?」
舞はどうして良いか分からず、オドオドするばかり…
「クーーーン…クーン…」
か弱い声で鳴く【ココ】を母親が抱き上げると、急いで病院に連れていった。

「クン…」
舞はその声を決して忘れる事は出来ないだろう。
聞こえるかどうかの僅かな鳴き声を最後に、【ココ】は息を引き取った。

「私は何も出来なかった…【ココ】ごめんね!」
舞は部屋に籠り、夜遅くまで泣きじゃくった。

次の日、図書室にはまぶたを大きく腫らした舞の姿があった。
「私はもっともっと本を読んで、勉強する!」
「こんな思いは二度としたくない!」
「この思いを絶対に忘れない…次は絶対に助けてみせる」
この日、舞は心に大きな誓いをたて、生物学に目覚めたのだった。

小学生になると、益々集中し、勉強そっちのけで本を読みまくった。
歳の近い弟は、暇を持て余し、毎日のように
「お姉ちゃん、遊んで~」
と、せがんでくる。

舞が11歳になったある日、今度は可愛い弟が目の前で倒れた。
大きな病院に救急車で運ばれたが、具合は悪くなる一方…
有名な病院に移り、徹底的に検査されるも、現代の医学では原因不明だった。

「あの時と同じ思いをしてたまるか!」
舞は医学や人体解剖学はもちろん、細菌や毒に関しても徹底的に調べた。
ネットでも膨大な量の論文や解析報告書を読みまくった。

しかし2年後…懸命の延命治療もむなしく、弟は帰らぬ人となってしまう。
「絶対にこんな思いはしないと誓ったのに…」
13歳になった舞は、今までにも増して医学にのめり込んでいった。

それから約6年が過ぎ、舞は日本の名門、東大の医学部にいた。
しかし、すでに教授レベルの知識を有する舞にとって、学校の授業は退屈以外の何物でもなかった。
そのせいもあり授業に参加するより、新しい課題を見つけ、一人で研究に没頭する日々が続いた。

そんな日々を過ごすあまり、大学では単位が足りなくなり留年となってしまい…
しかも出席日数も大幅に不足し、4年目を迎える前の春休み…
舞はとうとう退学処分となってしまった。

誰の目にも彼女の、優秀な医者としての未来が目に浮かんでいたであろうが…
明るく笑顔が絶えない可愛い女の子が、気づけば根暗な引き籠りのニートになっていた。

起きてはパソコンに向かい、ずれたメガネから覗く目はトロンと死んでいる。
髪はボサボサで、肌はガサガサ…
21歳の、今が人生で一番楽しいであろう時期の女の子とはかけ離れている。

「舞~…今日はする事があるんでしょ…?さっさと起きて準備しなさい」
ノックの返事をする前に、乱暴にドアを開けた母が、カーテンをサッとあけると…
面倒くさそうに言い放った。

今日は大学の、退学通知書にサインをして、その手続きを終わらせる日だった。
毎日、昼夜逆転生活を送る舞は、ボーっとしながらも着替え、大学に向かう。

朝の通勤ラッシュは過ぎたとは言え、混雑している駅のホームを進む舞…
フラつき加減で朧気に歩いていると…
「ドン!」
階段に向かって急いで走り抜ける男に弾かれ コケそうになった舞は、とっさに両手を突き出す。

「ドン!」
「え?…」

「キキキキキーーー」
激しいブレーキ音をたて、通過予定の電車が止まった。
「な…何が起こったの…」
舞は放心状態で呆然としていると…

「キャアー、人殺しーーー」
その様子を見ていた、隣の女がそう叫んだ!

「この人、今わざと突き落として、人を殺したわ」
「誰か、早く警察を呼んで!!」
その女は舞を指差していた。

「え?私は何も…」
そう言いかけた時、他の男も叫んだ。

「俺も見たぞ、逃げないように早く取り押さえろ!」
舞は数人に取り囲まれ、手を掴まれた。

「誤解です、私は何もしていません」
「私は本当に何もしてないんです。ただ後ろから押されただけなんです」
連れて行かれた警察署や、その後の裁判でも何度もそう訴えた。

しかし運が悪い時は重なるものである。
死んだのは大学の同級生。
先日、退学通知を受けて呼び出された日に、一方的に言いがかりをつけられ揉めてしまった。

その相手の友達のウソの証言で、舞の殺意が認められたのである。
しかも駅の2人の目撃証言が証拠となり、舞は有罪となる可能性が高くなっていた。

「どうしたらいいの? 私、何も悪い事してないのに…」
激しい失意の中で全く寝れず、最後の裁判に向かう途中…
無気力な舞の目の前に、どこか見覚えのある男が立っていた。

「よ…よくも私の娘を…」
その男は、怒りあらわに震えながら、ナイフを舞の胸に突き刺した。

「うっ…」
動きが止まり見開いた舞の目から、ツーと涙が頬を伝った。

「私は、2度とあんな思いをしたくない…ただそれだけ…」
「沢山研究して、沢山の人を救いたかっただけなのに…なぜ…」
意識が遠のく中、今までの記憶が走馬灯のように流れ走り去った。
そして静かに視界が、細く暗くなっていった…


「あれ?ここはどこ?」
「あっ!私はたしか死んだはず?」

寝起きのように、少しずつ広がる視界から、見慣れない天井が映し出される。
舞はとっさに、刺されたはずの胸を押えた。

「き…傷がない…」
「おかしい…私は確かに死んだはず?」
「もしかして、ここはあの世?」
舞はベッドからおりて部屋を見まわした。

「だけど、やけにリアルね…感覚もあるし」
部屋に飾られた花からは、香水の様なとても良い匂いが漂っている。
見ているもの、触るものなど…全てがリアルに感じられた。

そしてようやく、違和感に気付いた。
「あれ?手が小さくなってる!」
下を向くと、元々立派ではなかったが、胸の膨らみも全くない。

慌てて部屋の角に置いてある、姿見鏡を覗き込んだ!
「えっ…?」
舞は自分の姿を見て言葉を失った。

9歳~10歳くらいだろうか?
黒髪で貧相な、見た事もない女の子がそこに立っている。

「誰これ…? それになぜ子供?…まさかタイムスリップした?」
「けど…こんな場所も、こんな怖そうな目をした女の子も知らないし…」

「ちょっと待って、その前に私、胸を刺されて死んだんだよね?」
「あ~…もう何が何だかわかんない!!」
色々な記憶と状況が錯誤して、舞は頭を掻きながら左右に振った。

その時、おもむろに部屋のドアが開き、女性の声がした。
「お嬢様、今日は珍しく起きていらしたのですね」
「おはようございます」

黒と白のメイド姿をした、20歳前後の女性が入って来ると、スッと頭を下げた。
そして表情を変えることなく、目線だけをこちらに向けると…

「下でお食事の準備が出来ています」
「奥様たちは、もうお集まりですよ」
そう言うと、そそくさと下に降りて行った。

舞は状況が分からず、戸惑いながらも下にあるであろう、食事室に向かった。
「お嬢様、どちらに行かれるのです?」
先程のメイドが、オドオドした舞を不審に思いながら言う。

「そちらは化粧室でしょう?」
「まさか食事室の場所を忘れたのではないでしょうね」
相変わらず表情一つ変えず、冷ややかな目で見ながら言葉を発している。

「とりあえず、逆かな?」
舞は反対に歩くと、広い大広間に長いテーブルが置かれている部屋に出た。

テーブルの端には立派な服を着た、まだ30歳くらいの若い女性が佇んでいる。
鮮やかなスカイブルーの髪に、それを引き立たせるかのようなサファイアブルーのドレス
黄色のレースと白のリボンが、より静寂な気品を際立たせ、存在感を漂わせている。

「レニータ、ボーっとしてないで、反対に座りなさい」
立ちすくんでいる私に向かって、その女性が言った。

「何をしてるのレニータ、そこにいては邪魔でしょう」
「早く座りなさい」
その女性は、私を見ながら先ほどよりも大きな声で命令した。

「レ…レニータって私の事?」
疑心暗鬼な表情で戸惑っていると、その女性はボソっと…
「母親に向かってなんでしょうね、その態度は…」
深いため息をつきながら、呆れた顔でソッポを向いた。

「この子っときたら全く…」
何かを言いたげである。

そこに、真っ赤な髪をした立派な紳士と、エメラルドグリーンの髪の青年が息を切らしながら入って来た。
「お帰りなさい、あなた。【アーロン】も一緒なのね」
母親らしき人は、その二人に言った。

「ああ、【ソフィア】、今戻ったよ」
「今日は一緒に剣の稽古をしてたんだ、【アーロン】はもうすぐ卒業だからね」

その時こちらを見て、あからさまに不機嫌そうな顔をした父親らしき紳士が言った。
「ん?なぜレニータがこんな時間から起きているんだ…」
「【ソフィア】、何かあったのか?」

この私の母親と思わしき女性は【ソフィア】と言うらしい。
5歳離れた兄が【アーロン】
後で知ったのだが、この赤髪の父親は【レナード】と言うらしい。

「さあ、何しに起きてきたのやら…」
あたかも起きてくること自体、迷惑だと言わんばかりに【ソフィア】はトゲトゲしく言った。

食事の準備が終わり、皆が席に着いた時にレニータは気付いた。
父親を囲んで、【ソフィア】と【アーロン】が隣に座っている。
私はと言うと、数メートルも離れた反対側にポツンと一人で座らされている。

そして食事の様子を見守る、執事やコック、メイドさんたちも私の周りには誰一人寄り付かない。
そして、全員が私に冷たい視線を送ってくる。

その私を見る目には、見覚えがあった。
それは私が前世で、有罪が決まりそうな時に注がれた周りからの視線。
冷たく憎悪の塊で、私を軽蔑している「あの目」だ!

「ああ…そっか…私はこの世界でも酷く嫌われているんだ…」
その事に気付くと、再び激しい失意に襲われ、また殻に閉じこもるようになってしまった。


とにかく、ここの世界の状況が分からない事には一人では生きていけない。
そう思ったレニータは、家の書庫に入り浸った。

色々な本を読んで知ったのだが、この世界は、産まれた時の髪の色は必ず白であると記されている。
私は産まれた時から髪の色が黒…これが不吉がられ、嫌われている理由だった。

そして12歳になると、洗礼を受けるのが決まりらしい。
洗礼を受けると必ず、ステータスと言うものが表示されるようになる。

また少数の人は髪の色が変化し、その色が魔法の資質を表している。
とは言え、色が変わらない者が殆どで、当然ながら何も資質がない者は洗礼後も白髪のままである。

赤=火属性
青=水属性
緑=風属性
茶=土属性

殆どの人は、この4つの内のどれかに当てはまる。
ただこの4属性とは別に、極々少数の人はレア属性の2つの色になる事がある。

黄=光属性
紺=闇属性

基本的に、適性属性は一人につき一つであるが…
数百、数千万人に一人の割合で、複数の属性を持つものが現れるらしい。

母親【ソフィア】は、水属性
兄【アーロン】は、風属性(槍の使い手でもある)
父親【レナード】は、火属性(剣の使い手でもある)

貴族は遺伝により、基本的に何かしらの色に変化すると言われている。
そして髪の色が変化し、魔法の素質があると認められた者は、「魔法学校」に通わなければならない。

また白色のものでも、武術適性があると認められると「武術学校」に通える。
武術適性に関しては、本来の戦闘に特化したステータスに加え、本人の努力による向上が不可欠となるらしい。

★☆ メインステータス ☆★
≪会得している称号≫
【名前】(年齢)[職業]
LV(強さ)
EXP(経験値)
HP(ヒットポイント)
MP(マジックポイント)
SP(スキルポイント

●サブステータス
筋力(物理攻撃力)・丈夫さ(物理防御力)
知力(魔法攻撃力)・精神力(魔法防御力)

持久力(HPに影響) ・魔力(MPに影響)
素早さ(速さ、回避力)・器用さ(クリティカル率、生産スキル)

集中力(スキル、スキルポイント+全てのステに微影響)
運(ドロップ率、成功率、ステータス上昇率に影響)

●所持スキル
例)火属性魔法LV=1
  剣術LV=1など…

●特技
例)剣技《疾風斬り》など…

また[クラーク家]は〔ゼニウス王国〕の、田舎の『子爵』である。
国の一番東にあり、国境までの交易路の確保を任されるという重要な役割と…
温暖な気候を生かし、穀物処として国の食料確保にも貢献している

そして、両学校を卒業した者は、王国近衛兵団か、冒険者ギルドに所属する事が義務付けられている。
その事に関しては追々話していこう。

「ところで私…一体何歳なんだろ?」
「家族に聞くのが一番早いけど…変に思われちゃうな…」

「ステータスが見れたら、分かるんだけどなあ~…」
「ま…まさかね…一応…」
「それを見るために必要な詠唱は…《ステータスオープン》と…」

★☆ メインステータス ☆★
≪会得している称号=なし≫
【レニータ・クラーク】(10歳)[職業=なし]
LV=1
EXP=0
HP=20
MP=345
SP=380

●サブステータス
筋力(物理攻撃力)  =10
丈夫さ(物理防御力) =10

知力(魔法攻撃力)  =235
精神力(魔法防御力) =190

持久力(HPに影響) =10
魔力(MPに影響)  =265

素早さ(速さ回避力) =10
器用さ(クリティカル)=180
集中力(スキルに影響)=295
運(ステータス上昇率)=320

●所持スキル
火属性魔法LV=1
水属性魔法LV=1
風属性魔法LV=1
土属性魔法LV=1

光属性魔法LV=1
闇属性魔法LV=1

鑑定LV=1
精神耐性LV=5

●特技
なし

●特殊固有スキル
《無詠唱魔法》

「み…見れてるし…なんとなく嫌な予感はしたけど…」
「しかし、数値に凄く差があるような…」

「てか私、やっぱり10歳だったのか…それなのに何でステータス見れちゃうんだろ?」
「しかも、精神耐性LV=5って…前世でもココでも、かなり辛い人生を送ってるのね…」
「不幸な私…」

レニータは胸に手を当て、自分を慰めるように労わった
「ホワーン」
手が金色に光ると、その光は体全体を包み込み、優しく癒してくれた。

その瞬間、ステータスウインドウが開くと、どこからともなく…
「《マインドヒーリング》を覚えました」
「《ライトヒーリング》を覚えました」
という、何かの案内のような声が流れた。

「あ、光属性のレベルが上がってる…」
レニータは慌ててウインドウに目を凝らすと、光属性魔法がLV=2になっていた。
しかも特技欄に新しく、《マインドヒーリング》と《ライトヒーリング》が増えている

●特殊固有スキル
《無詠唱魔法》

「って…何これ…どう考えても今のはコレのせいよね?」
「まさかとは思うけど…想像したら魔法って発動しちゃうのかしら?」
今度は慌てて、魔法の事が書かれた書物を読み漁った。

『魔法とは、精神を集中して魔力をコントロールし…
それを具現化して放出する事で、効果を発揮するものである。』

『コントロールした魔力を放出するには、正確に呪文を詠唱する必要がある』
『ハイクラスな魔法程、集中力を要し呪文も長くなるため、使用出来るものは限られてくる』

『魔法のクラスは低級・中級・上級・最上級の4段階に分かれている』
『今までに最上級魔法を唱えられたのは、伝説の大賢者のみとされ、詳しい事は解明されていない』

属性別の魔法の種類は次のとおりである。

火)《ファイアー》(炎の玉)基礎
  《ウォーム》(加熱)基礎

  《ファイアーバレット》(炎の弾)初級
  《ファイアーキャノン》(炎の砲弾)中級
  《エンチャントファイアー》(火属性付与)中級
  《ファイアーストーム》(高熱炎の竜巻)上級


水)《ウォーター》(水の玉)基礎
  《アイス》(冷却)基礎

  《アイスランス》(氷の槍)初級
  《レイン》(雨降らす)中級
  《エンチャントフリーズ》(水属性付与)中級
  《アイスブリザード》(氷刃の吹雪)中級
  《アイスワールド》(一面を氷結)上級


風)《ウインド》(風の渦)基礎
  《アビリティサーチ》(能力解析)基礎

  《ウインドカッター》(風の刃)初級
  《テイルウインド》(身体能力向上)中級
  《ウインドレーダー》(広範囲探知)上級
  《ハイテイルウインド》(大幅な身体能力向上)上級


土)《アース》(土の玉)基礎
  《アークミリィー》(錬金)基礎

  《ストーンウォール》(石の壁)初級
  《アイアンウォール》(鉄の壁)中級
  《クリスタルシールド》(透明な魔法障壁)上級
  《アースクエイク》(地震で地面を割る)上級


光)《ライト》(光の玉)基礎
  《ヒール》(癒しの光)基礎

  《ライトヒーリング》(ロークラス治癒)初級
  《マインドヒーリング》(精神異常回復)初級
  《ポイズンヒール》(解毒)初級
  《ハイヒーリング》(ハイクラス治癒)中級
  《エンチャントライト》(光属性付与)中級
  《ワープ》(空間移動)上級
  《エクストラヒーリング》(全部位治癒)上級
  (精神異常回復・状態異常回復が出来る人もいる)
  《エリアハイヒール》(範囲ハイクラス治癒)上級


闇)《ダークネス》(暗闇)基礎
  《ドレイン》(HP吸収)基礎

  《アシッドレイン》(毒の雨)初級
  《スリープミスト》(眠りの靄)初級  
  《ソウルハーデンス》(硬直)中級
  《アビリティハイディング》(能力隠蔽)中級
  《エンチャントダークネス》(闇属性付与)中級
  《ドレインタッチ》(物理攻撃ヒット時HP吸収)上級
  《シャドウステルス》(気配を消す)上級
  《マナドレイン》(MP吸収)上級

どの本を読んでも同じような事が書かれている。

「あれ、想像したらどんな魔法でも作れるって訳じゃないのね…」
「無詠唱魔法…これが今《マインドヒーリング》と《ライトヒーリング》を覚えられた理由か…」

「私は子供の頃から10年以上、色んな勉強をし続けた!」
「集中力には自信がある!」

「それに、物質の構成に必要な成分、変化させるために必要な条件…」
「必要な知識は頭の中に入ってるから、具現化なんて私に言わせれば、お子様のおママゴトね!」

見た目が思いっきりお子様の、レニータが言うセリフではないが…
徐々に強気な性格に変わっていっているようだった!

また、《マインドヒーリング》の精神的作用なのか…
根暗ニートが、前世の幼い頃の陽気なお気楽少女に戻りつつある。


書物によると、この世界に巣食う魔物は、ダンジョンと呼ばれる所から生まれるらしい。
ダンジョンは突然生まれ、気づかぬうちに魔物が外に溢れてくる。
逆に言えば、魔物が外にいる場所には、新しくできたダンジョンがあると言う事である。

そう、国同士の戦争以外に、外に出て来た魔物を討伐し、ダンジョンを攻略するため…
王国近衛兵団と、冒険者ギルドが必要となってくるのである。

そしてダンジョンをクリアしたものには、≪ダンジョンマスター≫の称号がつく。
超高ランク冒険者の、ほんの一握りのものだけに与えられる栄誉である。
ちなみにダンジョンは、突然現れる代わりに攻略から1年後に消滅する。

「ん~特に今する事無いし…とりあえず≪ダンジョンマスター≫を目指してみっかな~」
とりあえずで目指せるものではないが…
時間が経つにつれ、レニータのお気楽さが増していっているようだった。

次の日、レニータは近くの森の中にいた。
「いくらなんでも、今の状態でいきなりダンジョンに行くほど、おバカじゃないわよ!」
なんか一人虚しく呟いている。

「とりあえず全部の魔法を試して、どれが使い勝手が良いか試してみるかな」
まずは炎の成分と燃焼条件を具現化して、ピストルの弾のようにコントロールして…
一点集中して発射!!
「ヒュン、ドカーーーーーン!」
大きな音と共に、目の前にあった大きな岩の塊が吹き飛んでいた。

「うーん…ちょっと時間がかかりすぎるわね…」
「接近された時にこれでは間に合わない…」

「そうだ!魔法名だけを唱えて、それを具現化する際のイメージに変換して唱えてみよう」
「行くわよー!《ファイアーバレット》」
発声と同時に放たれた炎の弾は、先ほどよりも遥かに早く、威力も強く発射された。

それと同時にあのアナウンスも流れる。
「特殊固有スキル《詠唱省略》を覚えました」

「《詠唱省略》か…うん、これなら余程接近されない限り大丈夫ね!」
レニータは日が暮れるまで、全ての属性の初級魔法を試していった。

中級、上級魔法もイメージして試してみたが、今はまだ使えなかった。
属性レベルや、魔法系のステータスが上がらないと無理らしい。

色々と試して帰宅したレニータ…家に帰り着くと、凄まじい脱力感が襲ってきた。
「多分、MPが枯渇寸前の影響ね…」
MPが枯渇するとそういう風になると、魔法書の最後の方に書かれていたのを思い出した。

「いや...もしかしたら自分に《アシッドレイン》(毒の雨)を降らせて、《ポイズンヒール》(解毒)使ったからかも…?」
「おかげで《ハイヒーリング》も覚えられたら、結果オーライだけど」
レニータは深いため息をついてお風呂に入ると、ベッドに横になってステータスを開いてみた。

★☆ メインステータス ☆★ [※()内は前回からの増量値]
≪アークメイジ≫
【レニータ・クラーク】(10歳)[職業=なし]
LV=1
EXP=0
HP=20
MP=347(+2)
SP=381(+1)

●サブステータス
筋力(物理攻撃力)  =10
丈夫さ(物理防御力) =10

知力(魔法攻撃力)  =237(+2)
精神力(魔法防御力) =192(+2)

持久力(HPに影響) =10
魔力(MPに影響)  =267(+2)

素早さ(速さ回避力) =10
器用さ(クリティカル)=180
集中力(スキルに影響)=297(+2)
運(ステータス上昇率)=320

●所持スキル
火属性魔法LV=3(+2)
水属性魔法LV=3(+2)
風属性魔法LV=3(+2)
土属性魔法LV=3(+2)

光属性魔法LV=3(+2)
闇属性魔法LV=3(+2)

鑑定LV=1
精神異常耐性LV=5
毒耐性LV=1(New)

●特技
火)《ファイアーバレット》(炎の玉)(New)
水)《アイスランス》(氷の槍)(New)
風)《ウインドカッター》(風の刃)(New)
土)《ストーンウォール》(石の壁)(New)

光)《マインドヒーリング》(精神異常回復)
  《ライトヒーリング》⇒《ハイヒーリング》(ハイクラス治癒)(New)
  《ポイズンヒール》(解毒)(New)
闇)《アシッドレイン》(毒の雨)(New)

●特殊固有スキル
《無詠唱魔法》
《詠唱省略》

「うーん、魔物を倒してないから経験値は増えてない…」
「だからレベルは上がってないけど、ステータスは微妙に増えるのね…」

「努力次第では、ある程度の能力の上昇も見込めるって事かな?」
「なんか前世にあったゲームみたいな感じね」

いやいや、レニータさん勘違いしないで下さい…
普通は1日で1~2も上昇しないんですよ!

あと、3属性以上の魔法を使え、全てがレベル3を超えるとつく…
偉大な魔法使い≪アークメイジ≫の≪称号≫を手に入れているのを、お見逃しなく!

【2話に続く】⇦ココをクリック