トキドキ☆ブログ

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★冤罪で殺されたら異世界に飛ばされました!★(4話)

15階層のボス部屋に入ったレニータ。
中央で待ち構えているボスに、早速《鑑定》を使ってみた。

★☆ メインステータス ☆★
獅子王
神獣【レオンハート】
LV=55
HP=630
MP=350
SP=260

●サブステータス
筋力 =380
丈夫さ=420
知力 =220
精神力=240
持久力=360
魔力 =270
素早さ=250
器用さ=280
集中力=320
運  =250

《鑑定》のレベルが6になっていたので、サブステータスも見えるようになっていた。

3つの尻尾があるライオンに、ペガサスのような羽が生えた【レオンハート】
筋力、丈夫さが特出している、タンクタイプのようだが、それにしてはMPが高い。

【レオンハート】を倒したのは、最高到達階層17階のパーティ1組だけとされている。
しかし、その者たちの戦闘記録が全く残って無いため、詳細は不明であった。

故にそれ以降、ボスに挑んだ者の記録はない。
それだけ、このダンジョンの魔物は強力なのだ。
しかし勿論だが、レニータがこの事実を知る由(よし)もなかった。

前途で述べたが【レオンハート】の尻尾は3本ある。
尾の先の色が、青、緑、黄となっており、それぞれ魔法属性を表していた。

お気づきだろうが、魔法属性によって性質が異なるため、それぞれの主な役割が決まっている。

赤(火)、青(水)の攻撃呪文
緑(風)の身体能力向上呪文。
茶(土)の防御呪文。

黄(光)の回復呪文
紺(闇)の状態異常付与呪文

これらはパーティを組む際にも重要視されており…
個々の力は上でも、バランスが悪いと総合力が下がる傾向にある。

その中で1番バランスが良いとされるのが…

1)武器攻撃力の高い前衛か、盾役のHPが高い前衛
2)赤(火)or 青(水)の攻撃魔法使い
3)緑(風)魔法の身体能力向上使い
4)黄(光)魔法の回復 or 茶(土)魔法の防御呪文使い

これら4人パーティーだと言われている。

つまり、筋力、丈夫さが特出している、盾役タイプの【レオンハート】は…
一番バランスの良い魔法タイプを揃えていると言える。

「舞い上がる風の渦…追い風となりて力を与えよ…」
【レオンハート】は身体能力向上呪文《テイルウインド》を唱えた。

★☆ メインステータス ☆★
獅子王
神獣【レオンハート】
LV=55
HP=780(+150)
MP=400(+50)
SP=290(+30)

●サブステータス
筋力 =430(+50)
丈夫さ=470(+50)
知力 =220
精神力=240
持久力=410(+50)
魔力 =270
素早さ=300(+50)
器用さ=300(+20)
集中力=320
運  =250

大幅に【レオンハート】の身体能力が上がった。
特に筋力はレニータの2倍以上ある。
それでいて素早さにも差がついてしまった。

弾速が一番速い《ファイアーバレット》で狙うも、寸前で交わされてしまう。
距離を詰められ、防戦一方のレニータ。
【レオンハート】の爪は速く鋭く…そして重い。

「少しずつ削られていく…」
受け流す事が出来ない重い攻撃は、徐々にレニータのHPを削っていった。

「このままでは、当たらない攻撃と回復でMPが切れる」
「こういう時のために、剣技・槍技を鍛えたんでしょ!」
レニータは杖を使った攻撃に切り替えた。

しかし、丈夫さが高い【レオンハート】に、筋力の低いレニータの攻撃はあまり効果がない。
水属性の魔法と爪の攻撃を受け、更にHPを削られていくのであった。

「これは相性以前の問題か…」
「スケルトン・ジェネラル【カーネリー】と同じくらい強い」

元から高い戦闘系ステータスを、更に強化した強靭な肉体…
それに似合わない素早さと、回復魔法…

水属性の攻撃呪文もあるため、長距離戦闘もこなせる。
戦闘が続けば続くほど、手詰まり状態となり、敗色が濃厚となっていくのであった。

「このままじゃジリ貧だわ…どうにか突破口を探さないと…」
「と言うより、どう見てもあの尻尾がカギでしょ」

レニータは回り込み、尻尾を切りつけるが殆どダメージが入らず…
僅かに削っても【レオンハート】は《ハイヒーリング》で回復していく。
正にいたちごっこである。

「それならば、もっとダメージが通る攻撃を…」
「もっとスパっと、切り裂くイメージで攻撃を鋭く速く…」

「あ、もしかして…あの技は見切ったし…剣術レベルも9だし…」
「やれてもおかしくない!」

「いっけーーー!剣技、《朧月影》」
背後に回り込んだレニータは、3本の尾に向かって技を繰り出した。

「バサッ!」
横払いの剣先が黄色と緑の尾を捉え、切り落とした。

と同時に、全身からブチブチと鈍い音がして、血が噴き出た。
この技はスケルトン・ジェネラル【カーネリー】の固有剣技であり…
レニータのステータスでは、まだこの技を使いこなす事が出来なかったのである。

半分の威力もない未熟な技ではあったが、当たったのは【レオンハート】の油断だった。
圧倒的に有利な展開と、こんな大技を持っているわけが無いという思い込みが、僅かな隙を生んだのであろう。

しかしレニータの体は耐える事が出来ない。
「体がバラバラになっていく…回復魔法を…」
全ての筋と筋肉を繋ぎ合わせて、噴き出した血の成分をイメージ。

「《エクストラヒーリング》」
以前とは違い、失った血も完全に回復する事により、MPとSPの消費を減らす効果を得た。

それとは逆に、尻尾を失い回復できなくなった【レオンハート】
緑の尾も失った事で、身体強化も解かれた。

「今がチャンス!」
「まずは動きを止める…交わされないように範囲魔法で…」
「小さな氷の刃を大量に、荒れ狂う猛吹雪の様に降らせるイメージで…」

「《アイスブリザード》」
数センチ程の鋭い氷の刃が、吹雪となって辺り一面を覆う。
【レオンハート】に当たると、僅かだがその部分が凍り付き、動きを遅らせた。

「良し、これなら当たるはず!《ファイアーストーム》」
「ゴォォォーーー!!」
灼熱の炎が【レオンハート】を焼き尽くす。

「ウウォーーーーーン…」
【レオンハート】は狼の様な雄たけびを上げ、その場に崩れ落ちた。

絶命したかに思えたが、僅かに息があるようだ。
「我を倒したのは2人目…人族…人間では初めてだ…見事だ…」
「その敬意を表してコレをやろう」

〘レオンハートの首飾り〙
ハート型の宝石が埋め込まれた、おしゃれな首飾りである。

「アイテムとして使う事で、どこでも自由に私を召喚する事が出来る」
「私は高速で飛べるし、《ハイヒーリング》が使えるから、戦闘中は回復役としても使える」

「まあ…お主ほどの効果は期待出来ないだろうが、1人での戦闘なら攻撃魔法に集中できる分、便利だ」
「では、用事がある時は呼んでくれ…また会おう…」

そう言うと【レオンハート】は、首飾りに吸い込まれるように消えていった。
レニータは〘レオンハートの首飾り〙を装備して《鑑定》してみた。

●アイテム名
〘レオンハートの首飾り:S〙
【HP+50、MP+50】
【力+30、丈夫さ+30、素早さ+50】

※5秒ごとに最大HPの1%を自動回復
※1度装備すると絶対に外せない

「はは~…なるほど…」
「あの異常な格闘向きのステータスは、コレのせいだったのね」
「あの強靭さで、あの素早い動き…頷けるはずね…」

「しかも中々HPが減らなかったのは、この自動回復のせいか」
「って…えええーーーーー!!1度装備すると外れないって…」

「今なら確かに可愛いけど…」
「こんなデカくてモロに成金趣味みたいなネックレス、永遠にしてろって言うの…?」
「ヤレヤレね…」

この言葉は首飾りを通して、【レオンハート】には聞こえていた。
「成金趣味で悪かったな!次に会ったら、絶対に返り討ちにしてやる!!」
【レオンハート】は、首飾りの中で目を燃やし、報復を誓っていた。


その後もレニータはダンジョンに籠り、来る日も来る日も魔物を狩り続ける。
16階層…
「《鑑定》!」

★☆ メインステータス ☆★
【ハイリザード・ガード】
LV=54
HP=580
MP=200
SP=180

●サブステータス
筋力 =260
丈夫さ=260
知力 =130
精神力=110
持久力=160
魔力 =100
素早さ=180
器用さ=210
集中力=120
運  =100

●所持スキル
大剣術LV=9
剣術LV=9
盾術LV=9

毒耐性 LV=5
暗闇耐性LV=5

「《鑑定》!」

★☆ メインステータス ☆★
【ハイリザード・スペルマスター】
LV=56
HP=380
MP=550
SP=410

●サブステータス
筋力 =130
丈夫さ=140
知力 =250
精神力=280
持久力=130
魔力 =290
素早さ=150
器用さ=170
集中力=200
運  =110

●所持スキル
火属性魔法LV=9
闇属性魔法LV=9

杖術LV=9

毒耐性 LV=5
暗闇耐性LV=5

「《鑑定》!」

★☆ メインステータス ☆★
【ハイリザード・シーフ】
LV=55
HP=450
MP=340
SP=270

●サブステータス
筋力 =140
丈夫さ=150
知力 =170
精神力=180
持久力=150
魔力 =190
素早さ=300
器用さ=260
集中力=180
運  =200

●所持スキル
風属性魔法LV=9

弓術LV=9
短剣術LV=9

毒耐性 LV=5
暗闇耐性LV=5

1体でも手を焼くのに、2~3体がパーティで出現するこの階層は苦戦続きだった。
それでも毎日、少しずつマッピングして行動範囲を広げ、17階層への道を探す。

そして、【レオンハート】の戦闘から2ヶ月ほど経ったある日…
やっとの事で17階層への階段を見つけた。

「やっと降りる道見つけた~長かったわね…」
「さてと、どれくらい上がったかしら…《ステータスオープン》と…」

★☆ メインステータス ☆★ [※数値は装備分を含む・()内は前回からの増量値]
≪賢者≫
【レニータ・クラーク】(11歳)[職業=なし]
LV=6
EXP=1,158,800
HP=530(+80)
MP=830(+40)
SP=580(+20)

●サブステータス
筋力(物理攻撃力)  =290(+50)
丈夫さ(物理防御力) =350(+60)

知力(魔法攻撃力)  =560(+30)
精神力(魔法防御力) =540(+30)

持久力(HPに影響) =320(+50)
魔力(MPに影響)  =610(+30)

素早さ(速さ回避力) =320(+50)
器用さ(クリティカル)=370(+30)
集中力(スキルに影響)=540(+40)
運(ステータス上昇率)=510(+20)

●所持スキル
火属性魔法LV=12(+2)
水属性魔法LV=9(+2)
風属性魔法LV=9(+3)
土属性魔法LV=10(+2)

光属性魔法LV=14(+3)
闇属性魔法LV=8(+2)

杖術LV=12(+3)
剣術LV=12(+3)
槍術LV=12(+3)

鑑定LV=7(+1)
精神異常耐性LV=10(+1)
状態異常耐性LV=8(+3)

●特技
火)《ファイアーバレット》(炎の弾)
  《ファイアーキャノン》(炎の砲弾)
  《ファイアーストーム》(炎の竜巻)
水)《アイスランス》(氷の槍)
  《アイスブリザード》(氷刃の吹雪)(New)
風)《ウインドカッター》(風の刃)
  《テイルウインド》(身体能力向上)(New)
土)《ストーンウォール》(石の壁)
  《アイアンウォール》(鉄の壁)(New)

光)《ライト》(光の玉)
  《エクストラヒーリング》(状態異常回復・精神異常回復・全身治癒)
  《ワープ》(空間移動)(New)
闇)《アシッドレイン》(毒の雨)
  《ソウルハーデンス》(硬直)(New)

●特殊固有スキル
《無詠唱魔法》
《詠唱省略》
《解析》

「流石に16階は相当キツかった…17階が思いやられるわ…」
「どんな魔物がいる事やら」
レニータはそっと覗いて見た。

何やらヤバそうな魔物が多数、浮いているように見える。
「ん?あれは…?《鑑定》!」

★☆ メインステータス ☆★
【カークレッド・グリフォン
LV=57
HP=580
MP=450
SP=400

●サブステータス
筋力 =260
丈夫さ=270
知力 =290
精神力=280
持久力=250
魔力 =290
素早さ=370
器用さ=260
集中力=280
運  =250

●所持スキル
火属性魔法LV=10
闇属性魔法LV=10
状態異常耐性 LV=10

●特技
火)ファイアーバレット《炎の弾》
  ファイアーキャノン《炎の砲弾》

闇)アシッドレイン《毒の雨》
  ソウルハーデンス《硬直》
  マインドブレイク《精神崩壊》

「次…《鑑定》!」

★☆ メインステータス ☆★
【ギガ・コカトリス
LV=57
HP=600
MP=460
SP=380

●サブステータス
筋力 =280
丈夫さ=300
知力 =240
精神力=280
持久力=300
魔力 =220
素早さ=270
器用さ=250
集中力=260
運  =300

●所持スキル
風属性魔法LV=10
闇属性魔法LV=10
状態異常耐性 LV=10

●特技
風)ウインドカッター《風の刃》
  テイルウインド《身体能力向上》

闇)アシッドレイン《毒の雨》
  ソウルハーデンス《硬直》
  マインドブレイク《精神崩壊》

「《鑑定》がレベル7になったおかげで、特技も見れるようになったわね」
「てか、あのデカイ鳥…鶏のクセに浮いてるわ…生意気ね…しかも何なのよ、あのステータス…」

「レベル55を超えたあたりから、ネームドでなくても相当ヤバいかも…」
「1レベルの違いが格段の差になってるみたいだわ」

そう…レベルが55を過ぎると、それまで得た経験値の数倍を稼がないと、次のレベルには上がらない。
それだけレベル1つの違いが、実力差としてハッキリ出るのである。

「けどまあ~首飾りのおかげもあるけど、全てのステータスで私が上回っているし…」
「複数で来られても、どうにかなりそうだわ」

「まあ、精神と状態耐性の回復付きの《エクストラヒーリング》もあるしね…」
「精神異常耐性と状態異常耐性が低かったら、勝ち目はなかったんだろうなあ~」
「こいつらとは相性が良いみたい!」

その通り、ある程度の相性はどうしても出てくる。
レニータは格闘系のステータスが低い分、魔法系と状態・精神異常系にはかなり強い。
その相性のおかげで、16階層で苦戦した分、17階層では意外と楽に進めたのであった。

とは言え、レベルは57の魔物…
3体以上の時はかなり苦戦した。
時折、5体も同時に出現する事もあり、一進一退を繰り返す事もあった。

そして4か月を過ぎた頃、ようやく18階層に降りる階段に辿り着いた。
とその時、妙な看板がある事に気付いた。

「飽きた!」
と、一言だけ書いてある。

「なんだこれ?」
レニータは意味が分からず、首をかしげて考えていたが、ふと傍に置かれた箱に気付いた。

その箱の中には、手紙のようなものが入っている。
「進むか退くかは自由に決めよ、ただ退く者には福が訪れるであろう、この箱を手に退くと吉となる」

「なんだこれ…?全く意味が分かんないわ~」
「てか、これって意味があるの?」

「ただ福ってなんだろ?凄く気になるわね…」
「うーーーーーん…」

レニータはひたすら考えた。
「うーーーーーん…」

「幸せって言葉、凄くずるいわ…欲しくなっちゃうもの…」
「私は不幸はもう嫌…えーーーい、退散!」

少し戻ると、急に警報のようなアラームが鳴り響き、変なアナウンスが流れた。
「ダンジョントラップが発動しました、あなたは外に戻されます」
「また今から5年間、このダンジョンには入れません」

「えええーーー…そんな…せっかくここまで来たのに…」
レニータはダンジョントラップにより、外に戻されてしまった。

「ガーーーン…せっかく17階層まで進んでたのに…」
「どんだけ鬼畜なのよ…そうじゃなくても、全然レベル上がらなくなったのに…」
「これから他のダンジョンで1階から進んでも、ほぼ無駄じゃないよ…」

「はあ~これからどうしよう…」
深いため息をついた時、箱から何かがこぼれ落ちた。

「あれ?こんなの入ってなかったわよね…これが福かな…」
「よし、《鑑定》!」

●アイテム名
〘真実の指輪:S〙
【HP+10、MP+10】
【知力+20】

※どんな隠蔽も見破る
※1度装備すると絶対に外せない
※装備条件:LV60以上

「って、アイテムとしては大したことないけど…これも絶対に外れないじゃない」
「まあ、これに比べたら エゲツなくなくて良いけどね」

「誰がエゲツないんじゃーーー!」
レニータが手にした首飾りの中で【レオンハート】は激怒した。

「てか、装備条件レベル60以上って…私にとっては無理としか思えないんだけど?」
「これって完全に不幸を貰った気分…あ~ムカつく」

一旦アルベルク街のダンジョン攻略を打ち切ったレニータは、とりあえず家に戻って熟睡した。