トキドキ☆ブログ

トキドキブログは、YouTuber トキドキTV(トキドキテレビ)の公式ブログです。

★冤罪で殺されたら異世界に飛ばされました!★

私は恵まれている…はずだった…
優しい両親に、頼りになる2歳上の兄、可愛い3歳下の弟…
宮殿の様な大きな家で、何不自由のない贅沢な暮らし…

その家の一角にある、まるで図書館のような広い部屋には、沢山の本が並んでいる。
そこで動物や昆虫の図鑑を見るのが、毎日の楽しみだった5歳の女の子。
この物語は、幸せになる予定だった?この少女から始まる。

高い窓から、爽やかな朝陽が溢れる部屋…
その光を浴びてキラキラと光る、フォークやスプーン…
白基調のお皿やカップには、鮮やかなブルーの模様に、細かな金細工が入っている。

そのお皿の上には、焼きたてのフワフワなパンに、朝採り野菜の新鮮なサラダ…
厚めのベーコンの上に、ふっくらと盛り上がった目玉焼き…
朝から素材を厳選した、とても豪華な料理が食卓に並んでいる。

ゆっくりとスープを飲み終え、母は優しく微笑みながら言った。
「舞は将来、何になりたいのかな?」
「舞は自由に生きて良いのよ、好きな事をして幸せに暮らしなさい」

「うん、私はね…私は大きくなったら沢山の動物たちと、ずっと…ずう~っと、一緒に暮らすの」
満面の笑みで答える舞。

足元には愛犬の【ココ】が寝転んでいた。
穏やかで優しい性格の【ココ】
なぜか舞に一番なついて、いつも傍を離れなかった。

そんなある日、【ココ】が倒れた。
息が荒く熱もある。
「【ココ】!大丈夫? どこが痛いの?」
舞はどうして良いか分からず、オドオドするばかり…
「クーーーン…クーン…」
か弱い声で鳴く【ココ】を母親が抱き上げると、急いで病院に連れていった。

「クン…」
舞はその声を決して忘れる事は出来ないだろう。
聞こえるかどうかの僅かな鳴き声を最後に、【ココ】は息を引き取った。

「私は何も出来なかった…【ココ】ごめんね!」
舞は部屋に籠り、夜遅くまで泣きじゃくった。

次の日、図書室にはまぶたを大きく腫らした舞の姿があった。
「私はもっともっと本を読んで、勉強する!」
「こんな思いは二度としたくない!」
「この思いを絶対に忘れない…次は絶対に助けてみせる」
この日、舞は心に大きな誓いをたて、生物学に目覚めたのだった。

小学生になると、益々集中し、勉強そっちのけで本を読みまくった。
歳の近い弟は、暇を持て余し、毎日のように
「お姉ちゃん、遊んで~」
と、せがんでくる。

舞が11歳になったある日、今度は弟が目の前で倒れた。
近所の大きな病院に救急車で運ばれたが、処置を続けるも具合は悪くなる一方…
有名な病院に移り、徹底的に検査したが、現代の医学では病名を特定する事すら出来なかった。

「あの時と同じ思いをしてたまるか!」
舞は医学や人体解剖学はもちろん、細菌や毒に関しても徹底的に調べた。
ネットでも膨大な量の論文や解析報告書を読みまくった。

しかし2年後…懸命の延命治療もむなしく、弟は帰らぬ人となってしまう。
「絶対にこんな思いはしないと誓ったのに…」
13歳になった舞は、今までにも増して医学にのめり込んでいった。

それから約6年が過ぎ、舞は日本の名門、東大の医学部にいた。
しかし、すでに教授レベルの知識を有する舞にとって、学校の授業は退屈以外の何物でもなかった。
そのせいもあり授業に参加するより、新しい課題を見つけ、一人で研究に没頭する日々が続いた。

そんな日々を過ごすあまり、自然と出席日数も少なくなり、必要な単位も不足。
最初は大学側も、優秀な成績を持つ舞を大目に見ていたが…
4年目を迎える前の春休み、改善の自覚なしとして、とうとう退学処分となってしまった。

誰の目にも彼女の、優秀な医者としての未来が目に浮かんでいたであろうが…
明るく笑顔が絶えない可愛い女の子が、気づけば根暗な引き籠りのニートになっていた。

起きてはパソコンに向かい、ずれたメガネから覗く目はトロンと死んでいる。
髪はボサボサで、肌はガサガサ…
21歳の、今が人生で一番楽しいであろう時期の女の子とはかけ離れている。

「舞~…今日はする事があるんでしょ…?さっさと起きて準備しなさい」
ノックの返事をする前に、乱暴にドアを開けた母が、カーテンをサッとあけると…
面倒くさそうに言い放った。

今日は大学の、退学通知書にサインをして、その手続きを終わらせる日だった。
毎日、昼夜逆転生活を送る舞は、ボーっとしながらも着替え、大学に向かう。

朝の通勤ラッシュは過ぎたとは言え、混雑している駅のホームを進む舞…
フラつき加減で朧気に歩いていると…
「ドン!」
階段に向かって急いで走り抜ける男に弾かれ コケそうになった舞は、とっさに両手を突き出す。

「ドン!」
「え?…」
「キキキキキーーー」

激しいブレーキ音をたて、この駅を通過予定の特急電車が止まった。
「な…何が起こったの…」
舞は放心状態で呆然としていると…

「キャアー、人殺しーーー」
その様子を見ていた、隣の女がそう叫んだ!

「この人、今わざと突き落として、人を殺したわ」
「誰か、早く警察を呼んで!!」
その女は舞を指差していた。

「え?私は何も…」
そう言いかけた時、他の男も叫んだ。

「俺も見たぞ、逃げないように早く取り押さえろ!」
舞は数人に取り囲まれ、手を掴まれた。

「誤解です、私は何もしていません」
「私は本当に何もしてないんです。ただ後ろから押されただけなんです」
連れて行かれた警察署や、その後の裁判でも何度もそう訴えた。

しかし運が悪い時は重なるものである。
死んだのは大学の同級生。
先日、退学通知を受けて呼び出された日に、一方的に言いがかりをつけられ揉めてしまった。

その相手と一緒にいた友達の嘘の証言で、舞の殺意が認められたのである。
しかも駅の2人の目撃証言が証拠となり、舞は有罪となる可能性が高くなっていた。

「どうしたらいいの? 私、故意に殺そうとか考えた事もないのに…」
「ただ力強く押されて、とっさに手を伸ばしただけなのに…」

激しい失意の中で全く寝れず、最後の裁判に向かう途中…
無気力な舞の目の前に、どこか見覚えのある男が立っていた。

「よ…よくも私の娘を…」
その男は、怒りあらわに震えながら、ナイフを舞の胸に突き刺した。

「うっ…」
動きが止まり見開いた舞の目から、ツーと涙が頬を伝った。

「私は、2度とあんな思いをしたくない…ただそれだけ…」
「沢山研究して、沢山の人を救いたかっただけなのに…なぜ…」
意識が遠のく中、今までの記憶が走馬灯のように流れ走り去った。
そして静かに視界が、細く暗くなっていった…


「あれ?ここはどこ?」
「あっ!私はたしか死んだはず?」

寝起きのように、少しずつ広がる視界から、見慣れない天井が映し出される。
舞はとっさに、刺されたはずの胸を押えた。

「き…傷がない…」
「おかしい…私は確かに死んだはず?」
「もしかして、ここはあの世?」
舞はベッドからおりて部屋を見まわした。

「だけど、やけにリアルね…感覚もあるし」
部屋に飾られた花からは、香水の様なとても良い匂いが漂っている。
見ているもの、触るものなど…全てがリアルに感じられた。

そしてようやく、違和感に気付いた。
「あれ?手が小さくなってる!」
下を向くと、元々立派ではなかったが、胸の膨らみも全くない。

慌てて部屋の角に置いてある、姿見鏡を覗き込んだ!
「えっ…?」
舞は自分の姿を見て言葉を失った。

9歳~10歳くらいだろうか?
黒髪で貧相な、見た事もない女の子がそこに立っている。

「誰これ…? それになぜ子供?…まさかタイムスリップした?」
「けど…こんな場所も、こんな怖そうな目をした女の子も知らないし…」

「ちょっと待って、その前に私、胸を刺されて死んだんだよね?」
「あ~…もう何が何だかわかんない!!」
色々な記憶と状況が錯誤して、舞は頭を掻きながら左右に振った。

その時、おもむろに部屋のドアが開き、女性の声がした。
「お嬢様、今日は珍しく起きていらしたのですね」
「おはようございます」

黒と白のメイド姿をした、20歳前後の女性が入って来ると、スッと頭を下げた。
そして表情を変えることなく、目線だけをこちらに向けると…

「下でお食事の準備が出来ています」
「奥様たちは、もうお集まりですよ」
そう言うと、そそくさと下に降りて行った。

舞は状況が分からず、戸惑いながらも下にあるであろう、食事室に向かった。
「お嬢様、どちらに行かれるのです?」
先程のメイドが、オドオドした舞を不審に思いながら言う。

「そちらは化粧室でしょう?」
「まさか食事室の場所を忘れたのではないでしょうね」
相変わらず表情一つ変えず、冷ややかな目で見ながら言葉を発している。

「とりあえず、逆かな?」
舞は反対に歩くと、20人が余裕を持って座れるであろう、長いテーブルが…
3列は置けるくらいの大広間に出た。

テーブルの端には立派な服を着た、まだ30歳くらいの若い女性が佇んでいる。
鮮やかなスカイブルーの髪に、それを引き立たせるかのようなサファイアブルーのドレス
黄色のレースと白のリボンが、より静寂な気品を際立たせ、存在感を漂わせている。

「レニータ、ボーっとしてないで、反対に座りなさい」
立ちすくんでいる私に向かって、その女性が言った。

「何をしてるのレニータ、そこにいては邪魔でしょう」
「早く座りなさい」
その女性は、私を見ながら先ほどよりも大きな声で命令した。

「レ…レニータって私の事?」
疑心暗鬼な表情で戸惑っていると、その女性はボソっと…
「母親に向かってなんでしょうね、その態度は…」
深いため息をつきながら、呆れた顔でソッポを向いた。

「この子っときたら全く…」
何かを言いたげである。

そこに、真っ赤な髪をした立派な紳士と、エメラルドグリーンの髪の青年が息を切らしながら入って来た。
「お帰りなさい、あなた。【アーロン】も一緒なのね」
母親らしき人は、その二人に言った。

「ああ、【ソフィア】、今戻ったよ」
「今日は一緒に剣の稽古をしてたんだ、【アーロン】はもうすぐ卒業だからね」

その時こちらを見て、あからさまに不機嫌そうな顔をした父親らしき紳士が言った。
「ん?なぜレニータがこんな時間から起きているんだ…」
「【ソフィア】、何かあったのか?」

この私の母親と思わしき女性は【ソフィア】と言うらしい。
5歳離れた兄が【アーロン】
後で知ったのだが、この赤髪の父親は【レナード】と言うらしい。

「さあ、何しに起きてきたのやら…」
あたかも起きてくること自体、迷惑だと言わんばかりに【ソフィア】はトゲトゲしく言った。

食事の準備が終わり、皆が席に着いた時にレニータは気付いた。
父親を囲んで、【ソフィア】と【アーロン】が隣に座っている。
私はと言うと、数メートルも離れた反対側にポツンと一人で座らされている。

そして食事の様子を見守る、執事やコック、メイドさんたちも私の周りには誰一人寄り付かない。
そして、全員が私に冷たい視線を送ってくる。

その私を見る目には、見覚えがあった。
それは私が前世で、有罪が決まりそうな時に注がれた周りからの視線。
冷たく憎悪の塊で、私を軽蔑している「あの目」だ!

「ああ…そっか…私はこの世界でも酷く嫌われているんだ…」
その事に気付くと、再び激しい失意に襲われ、また殻に閉じこもるようになってしまった。


とにかく、ここの世界の状況が分からない事には一人では生きていけない。
そう思ったレニータは、家の書庫に入り浸った。

色々な本を読んで知ったのだが、この世界は、産まれた時の髪の色は必ず白であると記されている。
私は産まれた時から髪の色が黒…これが不吉がられ、嫌われている理由だった。

そして12歳になると、洗礼を受けるのが決まりらしい。
洗礼を受けると必ず、ステータスと言うものが表示されるようになる。

またその際に少数の人は髪の色が変化し、その色によって魔法の資質が分かるらしい。
とは言え、色が変わらない者が殆どで、当然ながら何も資質がない者は洗礼後も白髪のままである。

赤=火属性
青=水属性
緑=風属性
茶=土属性

殆どの人は、この4つの内のどれかに当てはまる。
ただこの4属性とは別に、極々少数の人はレア属性の2つの色になる事がある。

黄=光属性
紺=闇属性

基本的に、適性属性は一人につき一つであるが…
数百、数千万人に一人の割合で、複数の属性を持つものが現れるらしい。

母親【ソフィア】は、水属性
兄【アーロン】は、風属性(槍の使い手でもある)
父親【レナード】は、火属性(剣の使い手でもある)

貴族は遺伝により、基本的に何かしらの色に変化すると言われている。
そして髪の色が変化し、魔法の素質があると認められた者は、「魔法学校」に通わなければならない。

また白色のものでも、武術適性があると認められると「武術学校」に通える。
武術適性に関しては、本来の戦闘に特化したステータスに加え、本人の努力による向上が不可欠となるらしい。

★☆ メインステータス ☆★
≪会得している称号≫
【名前】(年齢)[職業]
LV(強さ)
EXP(経験値)
HP(ヒットポイント)
MP(マジックポイント)
SP(スキルポイント

●サブステータス
筋力(物理攻撃力)・丈夫さ(物理防御力)
知力(魔法攻撃力)・精神力(魔法防御力)

持久力(HPに影響) ・魔力(MPに影響)
素早さ(速さ、回避力)・器用さ(クリティカル率、生産スキル)

集中力(スキル、スキルポイント+全てのステに微影響)
運(ドロップ率、成功率、ステータス上昇率に影響)

●所持スキル
例)火属性魔法LV=1
  剣術LV=1など…

●特技
例)剣技《疾風斬り》など…

そして両学校を卒業した者は、王国近衛兵団か、冒険者ギルドに所属する事が義務付けられている。
その事に関しては追々話していこう。

ちなみに[クラーク家]は〔ゼニウス王国〕の、田舎の『子爵』である。
国の一番東にあり、国境までの交易路の確保を任されるという重要な役割と…
温暖な気候を生かし、穀物処として国の食料確保にも貢献している。

田舎貴族ではあるが、財政はかなり安定しており、他の貴族に比べ裕福な方である。
兄は休みを利用して帰省しているが、普段は魔法学校がある王都でかなり贅沢な一人暮らしをしているのだった。

「ところで私…一体何歳なんだろ?」
「家族に聞くのが一番早いけど…変に思われちゃうな…」

「ステータスが見れたら、分かるんだけどなあ~…」
「ま…まさかね…一応…」
「それを見るために必要な詠唱は…《ステータスオープン》と…」

★☆ メインステータス ☆★
≪会得している称号=なし≫
【レニータ・クラーク】(10歳)[職業=なし]
LV=1
EXP=0
HP=20
MP=345
SP=380

●サブステータス
筋力(物理攻撃力)  =10
丈夫さ(物理防御力) =10

知力(魔法攻撃力)  =235
精神力(魔法防御力) =190

持久力(HPに影響) =10
魔力(MPに影響)  =265

素早さ(速さ回避力) =10
器用さ(クリティカル)=180
集中力(スキルに影響)=295
運(ステータス上昇率)=320

●所持スキル
火属性魔法LV=1
水属性魔法LV=1
風属性魔法LV=1
土属性魔法LV=1

光属性魔法LV=1
闇属性魔法LV=1

鑑定LV=1
精神異常耐性LV=5

●特技
なし

●特殊固有スキル
《無詠唱魔法》

「み…見れてるし…なんとなく嫌な予感はしたけど…」
「しかし、数値に凄く差があるような…」

「てか私、やっぱり10歳だったのか…それなのに何でステータス見れちゃうんだろ?」
「しかも、精神耐性LV=5って…前世でもココでも、かなり辛い人生を送ってるのね…」
「不幸な私…」

レニータは胸に手を当て、自分を慰めるように労わった
「ホワーン」
手が金色に光ると、その光は体全体を包み込み、優しく癒してくれた。

その瞬間、ステータスウインドウが開くと、どこからともなく…
「《マインドヒーリング》を覚えました」
「《ライトヒーリング》を覚えました」
という、何かの案内のような声が流れた。

「あ、光属性のレベルが上がってる…」
レニータは慌ててウインドウに目を凝らすと、光属性魔法がLV=2になっていた。
しかも特技欄に新しく、《マインドヒーリング》と《ライトヒーリング》が増えている

●特殊固有スキル
《無詠唱魔法》

「って…何これ…どう考えても今のはコレのせいよね?」
「まさかとは思うけど…想像したら魔法って発動しちゃうのかしら?」
今度は慌てて、魔法の事が書かれた書物を読み漁った。

『魔法とは、精神を集中して魔力をコントロールし…
それを具現化して放出する事で、効果を発揮するものである。』

『コントロールした魔力を放出するには、正確に呪文を詠唱する必要がある』
『ハイクラスな魔法程、集中力を要し呪文も長くなるため、使用出来るものは限られてくる』

『魔法のクラスは低級・中級・上級・最上級の4段階に分かれている』
『今までに最上級魔法を唱えられたのは、伝説の大賢者のみとされ、詳しい事は解明されていない』

属性別の魔法の種類は次のとおりである。

火)《ファイアー》(炎の玉)基礎
  《ウォーム》(加熱)基礎

  《ファイアーバレット》(炎の弾)初級
  《ファイアーキャノン》(炎の砲弾)中級
  《エンチャントファイアー》(火属性付与)中級
  《ファイアーストーム》(高熱炎の竜巻)上級


水)《ウォーター》(水の玉)基礎
  《アイス》(冷却)基礎

  《アイスランス》(氷の槍)初級
  《レイン》(雨降らす)中級
  《エンチャントフリーズ》(水属性付与)中級
  《アイスブリザード》(氷刃の吹雪)中級
  《アイスワールド》(一面を氷結)上級


風)《ウインド》(風の渦)基礎
  《アビリティサーチ》(能力解析)基礎

  《ウインドカッター》(風の刃)初級
  《テイルウインド》(身体能力向上)中級
  《ウインドレーダー》(広範囲探知)上級
  《ハイテイルウインド》(大幅な身体能力向上)上級


土)《アース》(土の玉)基礎
  《アークミリィー》(錬金)基礎

  《ストーンウォール》(石の壁)初級
  《アイアンウォール》(鉄の壁)中級
  《クリスタルシールド》(透明な魔法障壁)上級
  《アースクエイク》(地震で地面を割る)上級


光)《ライト》(光の玉)基礎
  《ヒール》(癒しの光)基礎

  《ライトヒーリング》(ロークラス治癒)初級
  《マインドヒーリング》(精神異常回復)初級
  《ポイズンヒール》(解毒)初級
  《ハイヒーリング》(ハイクラス治癒)中級
  《エンチャントライト》(光属性付与)中級
  《ワープ》(空間移動)上級
  《エクストラヒーリング》(全部位治癒)上級
  (精神異常回復・状態異常回復が出来る人もいる)
  《エリアハイヒール》(範囲ハイクラス治癒)上級


闇)《ダークネス》(暗闇)基礎
  《ドレイン》(HP吸収)基礎

  《アシッドレイン》(毒の雨)初級
  《スリープミスト》(眠りの靄)初級  
  《ソウルハーデンス》(硬直)中級
  《アビリティハイディング》(能力隠蔽)中級
  《エンチャントダークネス》(闇属性付与)中級
  《ドレインタッチ》(物理攻撃ヒット時HP吸収)上級
  《シャドウステルス》(気配を消す)上級
  《マナドレイン》(MP吸収)上級

どの本を読んでも同じような事が書かれている。

「あれ、想像したらどんな魔法でも作れるって訳じゃないのね…」
「無詠唱魔法…これが今《マインドヒーリング》と《ライトヒーリング》を覚えられた理由か…」

「私は前世で、子供の頃から10年以上、色んな勉強をし続けた!」
「一部の専門知識と、なによりも集中力には自信がある!」

「それに科学的な、物質の構成に必要な成分、変化させるために必要な条件…」
「必要な知識は頭の中に入ってるから、具現化なんて私に言わせれば、お子様のおママゴトね!」

見た目が思いっきりお子様の、レニータが言うセリフではないが…
徐々に強気な性格に変わっていっているようだ!

また、《マインドヒーリング》の精神的作用なのか…
根暗ニートが、前世の幼い頃の陽気なお気楽少女に戻りつつある。


書物によると、この世界に巣食う魔物は、ダンジョンと呼ばれる所から生まれるらしい。
ダンジョンは突然生まれ、気づかぬうちに魔物が外に溢れてくる。
逆に言えば、魔物が外にいる場所には、新しくできたダンジョンがあると言う事である。

そう、国同士の戦争以外に、外に出て来た魔物を討伐し、ダンジョンを攻略するため…
王国近衛兵団と、冒険者ギルドが必要となってくるのである。

そしてダンジョンをクリアしたものには、≪ダンジョンマスター≫の称号がつく。
超高ランク冒険者の、ほんの一握りのものだけに与えられる栄誉である。
ちなみにダンジョンは、突然現れる代わりに攻略から1年後に消滅する。

「ん~特に今する事無いし…とりあえず≪ダンジョンマスター≫を目指してみっかな~」
とりあえずで目指せるものではないが…
時間が経つにつれ、レニータのお気楽さが増していっているようだった。

次の日、レニータは近くの森の中にいた。
「いくらなんでも、今の状態でいきなりダンジョンに行くほど、おバカじゃないわよ!」
なんか一人虚しく呟いている。

「とりあえず全部の魔法を試して、どれが使い勝手が良いか試してみるかな」
まずは炎の成分と燃焼条件を具現化して、ピストルの弾のようにコントロールして…
一点集中して発射!!

目をつぶり、真っすぐと突き出した手のひらから魔法陣が現れる。
その先に、炎の塊が発生すると徐々に凝縮されていく。

「ヒュン、ドカーーーーーン!」
大きな音と共に、目の前にあった大きな岩の塊が吹き飛んでいた。

「うーん…ちょっと時間がかかりすぎるわね…」
「接近された時にこれでは間に合わない…」

「そうだ!魔法名だけを唱えて、それを具現化する際のイメージに変換してみよう」
「行くわよー!《ファイアーバレット》」
発声と同時に放たれた炎の弾は、先ほどよりも遥かに早く、威力も強かった。

「よし、これなら…」
レニータが手ごたえを掴んだと同時に、あのアナウンスも流れる。
「特殊固有スキル《詠唱省略》を覚えました」

「《詠唱省略》か…うん、これなら余程接近されない限り大丈夫ね!」
レニータは日が暮れるまで、全ての属性の初級魔法を試していった。

中級、上級魔法もイメージして試してみたが、今はまだ使えなかった。
属性レベルや、魔法系のステータスが上がらないと無理らしい。

色々と試して帰宅したレニータ…家に帰り着くと、凄まじい脱力感が襲ってきた。
「多分、MPが枯渇寸前の影響ね…」
MPが枯渇するとそういう風になると、魔法書の最後の方に書かれていたのを思い出した。

「いや...もしかしたら自分に《アシッドレイン》(毒の雨)を降らせて、《ポイズンヒール》(解毒)使ったからかも…?」
「おかげで《ハイヒーリング》も覚えられたら、結果オーライだけど」
レニータは深いため息をついてお風呂に入ると、ベッドに横になってステータスを開いてみた。

★☆ メインステータス ☆★ [※()内は前回からの増量値]
≪アークメイジ≫
【レニータ・クラーク】(10歳)[職業=なし]
LV=1
EXP=0
HP=20
MP=347(+2)
SP=381(+1)

●サブステータス
筋力(物理攻撃力)  =10
丈夫さ(物理防御力) =10

知力(魔法攻撃力)  =237(+2)
精神力(魔法防御力) =192(+2)

持久力(HPに影響) =10
魔力(MPに影響)  =267(+2)

素早さ(速さ回避力) =10
器用さ(クリティカル)=180
集中力(スキルに影響)=297(+2)
運(ステータス上昇率)=320

●所持スキル
火属性魔法LV=3(+2)
水属性魔法LV=3(+2)
風属性魔法LV=3(+2)
土属性魔法LV=3(+2)

光属性魔法LV=3(+2)
闇属性魔法LV=3(+2)

鑑定LV=1
精神異常耐性LV=5
毒耐性LV=1(New)

●特技
火)《ファイアーバレット》(炎の玉)(New)
水)《アイスランス》(氷の槍)(New)
風)《ウインドカッター》(風の刃)(New)
土)《ストーンウォール》(石の壁)(New)

光)《マインドヒーリング》(精神異常回復)
  《ライトヒーリング》⇒《ハイヒーリング》(ハイクラス治癒)(New)
  《ポイズンヒール》(解毒)(New)
闇)《アシッドレイン》(毒の雨)(New)

●特殊固有スキル
《無詠唱魔法》
《詠唱省略》

「うーん、魔物を倒してないから経験値は増えてない…」
「だからレベルは上がってないけど、ステータスは微妙に増えるのね…」

「努力次第では、ある程度の能力の上昇も見込めるって事かな?」
「なんか前世にあったゲームみたいな感じね」

いやいや、レニータさん勘違いしないで下さい…
普通は1日で1~2も上昇しないんですよ!

あと、知力と魔力が200を超え、3属性以上の魔法全てがレベル3を超えるとつく…
偉大な魔法使い≪アークメイジ≫の≪称号≫を手に入れているのを、お見逃しなく!

【2話に続く】⇦ココをクリック

 

★冤罪で殺されたら異世界に飛ばされました!★(10話)

「あの…今のダンジョン攻略に行くってのは本当なんですか?実は俺たち困っていて…」

クラスメイトの、ウイリアム準男爵長男【ニコラス】だった。
いつもの声は全く聞こえないのに、独り言は聞こえるらしい。

「私たち二人は隣り合う領地の田舎貴族で、実は幼馴染みなんです」
今度は同じくクラスメイトのレーノルズ男爵長女【キャサリン】が話しかけて来た。

「二人とも裕福な貴族では無かったのですが、魔法の才能を認められて入学したは良いんですけど…」
「最近、北の国との小競り合いが続いていて…まあそれは国が解決してくれそうなんですけど…」

「そうしたら戦争になるかも知れないとか、徴兵されるかも知れないとか色々な噂が流れて…」
「それで盗賊が増えて一気に治安が悪化して、財政が悪化…学費を払えそうもないんです」

「退学になったら高額な入学金も無駄になります」
「どうにかお金を稼げないかって、二人で相談していたところなんです」

『退学』という言葉に弱いレニータ…可哀想だとは思ったが、出来るだけ関わりたくもない…
「どっちみち、クラスでは5人ずつの、2班に分かれて活動するので、お互いのためにもなると思うんです」

「へ?そうなの…?」
レニータは上手く丸め込まれている気がして、懐疑的な視線を送ったが…

「はい、じゃないと子爵令嬢のあなたに、私たちから話しかけたり致しません」
二人は真っすぐな目で見つめながら言い返して来た。

確かにまあ…この黒髪に悪魔付きの様な私に、話しかけてくる奇特な人がいるわけないか…
「それじゃあ、今晩、こっそりと私の部屋に来て」
そう言うと、レニータは食堂を後にしたのだった。

「さてと、どこのダンジョンに行くかな~」
レニータは[ギルドカード]で、近くのダンジョンを検索してみた。

「あれ…?いつの間にかAランクダンジョンまで検索結果が出てる…」
「って…いつの間にかBランク冒険者になってる」

[ギルドカード]は、クエスト報告などでギルドに行く度に、あの機械で更新されるが…
ダンジョンの掲示板とも繋がっており、報告がなくても定期的に更新されるのであった。

またクエスト依頼と違い、ダンジョン攻略者は、実力が正確に証明されるため…
攻略したダンジョンのランク=冒険者ランクとなる。

パワーレベリングをしようが、パーティーリーダーになろうが…
ダンジョンボスに、一番多くダメージを与えた者が攻略者になるため、誤魔化せない仕組みなのである。
なので、その≪称号≫と、そのステータスの補正欲しさに、未攻略ダンジョンには人が集まるのである。

「ここから北に2000kmか…ちょっと遠いけどここにするかな」
22時の就寝時間になる前に、先に場所を記憶しておく事にした。

ちなみに【レオン】の人を載せて飛べる飛行速度は、新幹線の倍近い時速700km前後。
孤島のダンジョン[レオンハート]が9時間近くかかったので、どれだけ遠かったかお分かりだろう。

夕ご飯を食べたのが17時半…色々考えてクラスメイトと話して…部屋を出たのが18時半頃
3時間近くかかったので、現在は21時半である。
約束の22時まで、約30分ある。

「丁度良いから、寝るふりをして【ニコラス】と【キャサリン】に今晩の事を伝えとくか…」
レニータは《ワープ》で一度部屋に戻ると、2人に今晩のダンジョン情報を伝えた。

消灯時間を過ぎると、すぐに【ニコラス】と【キャサリン】がやって来た。
きしむ床板の両サイドをそっと歩いて、かなり慎重に来たらしい。
悪くて停学、下手をすれば退学もあり得るので当然と言えば当然である。

「急いで部屋に入って…」
レニータは2人を部屋に招き入れると、物音立てずに《ワープ》を唱えた。

「凄い…光属性持ちでも上級の《ワープ》を使えるのは、この国で4人しかいないのに…」
あっと言う間にダンジョンについた【キャサリン】は、尊敬の念を抱いて言った。

超レアな属性に加えて、《ワープ》は上級魔法である。
使えるのは〔リメリアーナ魔法学校〕の【イアン】校長、〔セレンシアの街ギルドマスター〕の【サミュエル】
それ以外は、王国近衛兵団に所属する聖騎士2人のみである。

そして新しい5人目がレニータであった。
「そんな事無いよ…」
レニータは今までの人生で褒められた事が無かったので、照れ隠しながら恥ずかしそうに言った。

「じゃあ入るよ~」
前回はEクラスでも、特例でBクラスまでのダンジョン攻略や依頼受注が認められていたが…
レニータが自身がBクラスになった事で、Aクラスダンジョンにも入れることが出来る。

しかも王様には、Bクラスでの全ての行動が許されると、お墨付きを頂いている。
本来なら、 [ギルドカード]を持っていない、【ニコラス】と【キャサリン】の2人はダンジョンに入れない。
入口で護衛に止められてしまう。

この世界で契約を交わす際は、必ず魔法を使用する。
すなわち、この世界での約束は絶対なのである。
『Bクラスでの全ての行動が許される』これが無ければ、クラスメイトの2人は入る事が出来なかったのだ。

■ ダンジョン案内板 ■

名称 =ケントス村のダンジョン[コートニー]
ランク=A
総入場者=1,382名
最高到達階層=15F

レニータは案内板に[ギルドカード]をかざすと、案内板は緑色に変わった。
進入OKのサインである。

「凄い…Bクラスの[ギルドカード]を持っているなんて…」
「でも…生きて帰れるんでしょうね…」
2人はレニータを尊敬すると同時に、嫉妬の念にもかられたが、それ以前に生きて帰れるのか…凄く不安になった。

1階層~4階層、深層階ではないとはいえ、仮にもAランクのダンジョンである。
LV40~45の魔物が襲い掛かって来る。

レニータには安全地帯と変わらない位の場所だったが、【ニコラス】と【キャサリン】には地獄絵図だった。
【ニコラス】は風属性、【キャサリン】は土属性の属性を持つ。

二人とも1年生ながら、基礎と低級魔法は全て使えるようになっている。
中々優秀であるが…

★☆ メインステータス ☆★
【ニコラス・ウイリアムズ】(12歳)[職業=学生]
LV=12
HP=23
MP=61
SP=24

●サブステータス
筋力 =11
丈夫さ=13
知力 =42
精神力=36
持久力=15
魔力 =40
素早さ=13
器用さ=25
集中力=26
運  =16

●所持スキル
風属性魔法LV=4

●特技
風)《ウインド》(風の渦)
  《アビリティサーチ》(能力解析)
  《ウインドカッター》(風の刃)


★☆ メインステータス ☆★
【キャサリン・レーノルズ】(12歳)[職業=学生]
LV=12
HP=22
MP=62
SP=21

●サブステータス
筋力 =10
丈夫さ=12
知力 =48
精神力=32
持久力=14
魔力 =41
素早さ=12
器用さ=28
集中力=27
運  =15

●所持スキル
土属性魔法LV=5

●特技
土)《アース》(土の玉)
  《アークミリィー》(錬金)
  《ストーンウォール》(石の壁)

これではいつ死んでもおかしくない。
レニータがいなければ、普通なら間違いなく即死だ。

しかし、レニータ一人で余裕のこの場所で、少しでも攻撃を当てたら、僅かながら経験値が入りレベルが上がる。
これがいわゆる『パワーレベリング』と言うヤツである。

戦闘技術(特技など)やスキルは覚えづらいが、基礎ステータスはレベルアップと共に確実に上がっていく。
お金持ちの貴族が、見栄だけのために大金を払って良くやる方法だ。

普通なら絶対にオススメしないが、ここは上級冒険者でも苦戦するAランクダンジョン。
レベルの上がり方が半端なかった。

5階層、10階層のボスを難なく討伐し、半月ほどで最高到達階層の15階に着いてしまった。
「まさかこのボスが、ラスボスじゃないわよね?」

「うーーーん…万一このボスがラスボスだったら、また私の名前が残ってしまう…」
良く考えたレニータは、毎日ここで引き返し、次の日は1階層からやり直す事にした。

その内、クラスメイトの参加者も増えていった。
2~3人、3~5人、5~7人…
10日後には、クラス全員が参加していた。

レニータたちがダンジョンに通うようになって、約1ヶ月半が過ぎようとする頃には全員がレベル30を超えていた。
高い者は40を超えている。
冒険者ランクにすると、この歳ですでに[Eランク]に相当する。

冒険者ランクの最低レベルは次のとおりである。

冒険者ランク
S=LV65以上
A=LV60以上
B=LV55以上(上級)

C=LV50以上(下級)
D=LV45以上
E=LV40以上
見習い=LV30以上

もちろん、レベルが到達したからと言って、必ず冒険者ランクも上がるわけではない。
上級冒険者であるBランクからは、そのランクのダンジョンを攻略しない限りランクが上がる事はない。
BランクからAに上がろうと思えば、Aランクダンジョンを攻略する以外ないのだ。

レベルが上がると出てくるのが、傲慢、慢心といった態度である。
元々レベルアップだけが目的で集まったクラスメイトたち。
レニータと親密に話をするのは、最初の【ニコラス】と【キャサリン】の2人だけであった。

「毎日毎日、ここでUターンしての繰り返し…そろそろ本気で飽きたわ」
「もう俺たちだけで十分だろ…」

元々、自己顕示欲が強い貴族たち…プライドも高く、人に従う事が大嫌いである。
ただレニータの本当の強さを知る由もなく、自分達が強くなりすぎたと勘違いしていた。

本来、Aランクダンジョンの11階層から下の階層で…
レニータを除き9人がかりでも、レベル35程度で倒せる魔物など1匹もいないのである。

そう言うと、数名がドアを開き15階層のボス部屋に入ってしまった。
ボス部屋は1度進入すると、倒すまで出られない。
それ以外で入口の扉が再び開く時…それは中で全員が全滅した時のみである。

「バカな…死にたいの…」
仕方なく、レニータと残ったクラスメイトはボス部屋に入って行った。

中央には、なんとも禍々しい魔力を噴き出している、リッチのような魔物がい浮かんでいる。
ただリッチと違うのは、剣と盾を装備している事だ。
すかさずレニータは《鑑定》してみた。

★☆ メインステータス ☆★
≪暗黒魔剣士:R≫
ヘル・ウォーリア【ゴルゴノス】
LV=62
HP=870
MP=630
SP=640

●サブステータス
筋力(物理攻撃力)  =470
丈夫さ(物理防御力) =480

知力(魔法攻撃力)  =420
精神力(魔法防御力) =450

持久力(HPに影響) =480
魔力(MPに影響)  =430

素早さ(速さ回避力) =420
器用さ(クリティカル)=470
集中力(スキルに影響)=400
運(ステータス上昇率)=280

●所持スキル
水属性魔法LV=10
闇属性魔法LV=20
剣術LV=17

精神異常耐性LV=14
状態異常耐性LV=14

●特技
水)《アイスランス》(氷の槍)
  《レイン》(雨降らす)中級
  《エンチャントフリーズ》(水属性付与)中級
  《アイスブリザード》(氷刃の吹雪)

闇)《ダークネス》(暗闇)
  《ドレイン》(HP吸収)
  《アシッドレイン》(毒の雨)
  《スリープミスト》(眠りの靄)
  《ソウルハーデンス》(硬直)
  《アビリティハイディング》(能力隠蔽)
  《エンチャントダークネス》(闇属性付与)
  《ドレインタッチ》(物理攻撃ヒット時HP吸収)
  《シャドウステルス》(気配を消す)
  《マナドレイン》(MP吸収)

剣)《一刀両断》(攻撃力+50%)
  《切り返し》(カウンター)
  《真燕返し》(2段斬り)
  《乱れ斬り》(瞬時3撃)

●特殊固有スキル
《二重の助力》(二重エンチャント)

●装備アイテム
〘デーモンソード:A〙
【知力+50】
【魔力+50】
【器用さ+30】

〘デーモンシールド:A〙
【丈夫さ+50】
【持久力+50】
【魔法ダメージ-20%】

〘ブラインドローブ:B〙
【知力+50】
【魔力+30】

〘デスナイトシューズ:A〙
【精神力+50】
【素早さ+30】
【闇属性魔法効果+20%】

「これ、かなりヤバそうなんだけど…」
気になったのは≪暗黒魔剣士:R≫の≪称号≫である。

今までの経験上、種族名に【ネーム】が加わり【ネームド】と呼ばれるだけで強さが格段に上がるのに…、
更に≪称号≫を持つ魔物は、レベルより遥かに上の力を感じる。

それだけにステータスで大幅に上回っているレニータだが、油断は出来ない状況だ。
ましてやクラスメイトを守るという弱点もある。

「炎(ほむら)の命よ…礫(つぶて)と成りて、敵を貫け…《ファイアーバレット》!」
「水の命よ…氷と成りて敵を貫け…《アイスランス》!」
「風の命よ…刃と成りて敵を刻め…《ウインドカッター》!」

生徒たちは各々(おのおの)、自分の持つ属性で攻撃したが、全く効くはずもなく…
【ゴルゴノス】は軽く跳ね返すと、魔法を唱え始めた。

「静かなる水の流れよ、氷の刃となりて降り注げ…《アイスブリザード》!」
≪大賢者≫のレニータのように特化してないとはいえ、魔法系のスキルも高目の≪魔剣士≫でレベル62…

9人で唯一の土属性の【キャサリン】が《ストーンウォール》を唱えるも、あっと言う間に粉々なる。
氷の刃に触れた部分は傷つき、凍り始めた。

「い…いやあああーー痛い…凍っていく…」
「死んじゃう…助けてーーー」

クラスメイトは全員が、心の底から叫び、自分達の愚かさを後悔している。
「仕方ないわね…《エリアハイヒール》」
レニータは広範囲回復魔法でクラスメイト全員を救った。

「ほ…本当に助かったの…生きているの…」
クラスメイト達は半信半疑で、自分の手を覗き込んでいる。

「入った以上、倒すしかないわね…」
「≪ダンジョンボス≫の≪称号≫がないから、どうやらここで終わりって訳じゃなさそうだしね」

「相手は氷属性で、闇属性にも効果が高い、火属性…ここはこの一択でしょ」
「《ファイアーバレット》、あーんど…《ファイアーストーム》」

「グアアアアーーー!」
レニータは一気に【ゴルゴノス】のHPを7割以上削った。

「この威力に、2つの魔法を同時に…しかもあんな短い詠唱時間で…」
「どうやら一人だけ規格外がいたか…」
「こんなクズどもが、どうやってここまで来たのかとは思ったが…なるほどな」

「闇よ、我に力を…《ドレイン》!」
「闇よ、我に力を…《ドレイン》!」
【ゴルゴノス】はクラスメイトから次々とHPを吸い取った。

「基礎魔法だけにディレイタイムがない…このままじゃ完全に回復されちゃう」
「《クリスタルシールド》!」
レニータは魔法攻撃を防ぐべく、魔法障壁を張った。

「火属性と光属性に加えて、土属性の上級魔法だと!」
「何者なんだ…本気で相手せねばならぬようだ」

「集え、凍える雪の結晶、この武器にその力を分け与えたまえ…《エンチャントフリーズ》!」
「集え、憎悪の闇の影、この武器にその力を分け与えたまえ…《エンチャントダークネス》!」

「2つの魔法を重ねてかけれるなんて…」
「これが【ゴルゴノス】の特殊固有スキル《二重の助力》か…」

更に【ゴルゴノス】は、物理攻撃ヒット時にHPを吸収する魔法を詠唱する。
「漆黒に羽ばたく闇の翼よ、その者を包み力を我がものに…《ドレインタッチ》」
「行くぞ!」

【ゴルゴノス】は一直線に突っ込んで来た。
「《《乱れ斬り》!」

剣術をまるで理解してはないが、〘時の杖〙のおかげでレベルだけは20…
とっさに反応して防いだが、基礎がなってないレニータはかする事も多い

《エンチャントダークネス》の効果で、剣で防御しても減って行くHP…
凍らせて動きを遅くされているのに加え、更に《ドレインタッチ》でHPも吸われている。

「もう完全に回復してる…この攻撃の組み立て方は、流石にレベル62だわ」
レニータは攻撃の組み立ても大事なんだと、この戦いで痛感した。

魔法は本来、広い場所で戦闘が始まる際、先制攻撃として使われることが多い。
狭い空間では、武術の方が、圧倒的に有利なのである。
相手がレニータでなければ…

【ゴルゴノス】は気配を消す魔法を唱えた。
「漆黒の暗闇で見えぬ影となりて、漂うその力を隠したまえ…《シャドウステルス》!」

不意を突かれたレニータは【ゴルゴノス】を完全に見失ってしまった。
「《二陣斬り》!」
レニータは背後からスパっと二重に斬られてしまった。

「くっ…」
背中から勢い良く血が吹き出した。
「トドメだ…《一刀両断》!」

「《エクストラヒーリング》!」
一瞬の溜めを作る剣術《一刀両断》の隙にレニータは全回復した。

そして《デュアル詠唱》で《シャドウステルス》を唱える。
「トアアー!」
【ゴルゴノス】の放った《一刀両断》は、直前で気配を消したため、空を切った。

「さっきのお返しよ!《朧月影》!」
【ゴルゴノス】の目の前に、突然現れたレニータ…
神速の十字斬りで【ゴルゴノス】に致命傷を与えた。

「回復されないうちに仕留める!《ファイアーストーム》!」
深手を負った【ゴルゴノス】には、《ファイアーストーム》1発で十分だった。
【ゴルゴノス】は灰となり、ドロップ品を残して燃え尽きた。

大きな魔石に、禍々しい力を放ちつつも、相当な価値がありそうな〘デーモンソード〙
さすがドロップ確率に影響がある、強運の持ち主である。

また初の討伐者には、何かしらドロップする確率が高いと言われている。
気付いてないが【ゴルゴノス】を討伐したのは、レニータたちが初のパーティーだった。

「全くえらい目にあったわ…でもまあ、このドロップはラッキーね」
「とりあえず、16階に着いたらすぐに帰還するわよ!」

レニータは仲間の精神的なダメージもあり、一旦帰還する事にした。
《マインドヒーリング》で回復する事も出来るが、レニータなりの罰である。

次の日、教室で会ったクラスメイトたちは様子がおかしかった。
レニータがチラっと見ると必ず目を反らすし、なんか落ち着きがないようである。

レニータの形相もあり、本格的に悪魔付きではと思い始めたようだった。
その中で【ニコラス】と【キャサリン】だけは、いつも通りに話しかけてくれた。

「昨日は本当にありがとう、レニータがいなかったら間違いなく死んでたわ」
「私たち、全く強くなんてなかった…」
【キャサリン】はしみじみと、その事を痛感した。

「そうだな、もっと鍛えないと駄目だな」
死にかけたが【ニコラス】は向上心が強かった。

その晩、集まったのは【ニコラス】と【キャサリン】だけであった。
「お金を稼ぐ必要もあるし、今日からは15階層のボスを倒してから帰還しよう」

戦い方さえ分かれば、格上のステータスに全属性持ちのレニータが遥かに有利である。
先読みして補助系の魔法で準備をしておく事で、効率よく倒す事が出来る。
毎日、ボスを倒し続けて1ヶ月半も経つ頃には、魔石は勿論、ドロップ品も沢山集まっていた。

15階層ボス【ゴルゴノス】からは、最初のドロップ品も含め…
〘デーモンソード:A〙、〘デーモンシールド:A〙
〘ブラインドローブ:B〙×2個、〘デスナイトシューズ:A〙

その他、[ギルドカード]を所持してから、これまでの分も含めると…
ステータスが【+10】の〘指輪:E〙は、全てが10個以上ある。

〘筋力の指輪:E〙【筋力+10】×11個
〘丈夫さの指輪:E〙【丈夫さ+10】×13個
〘知力の指輪:E〙【知力+10】×12個
〘精神力の指輪:E〙【精神力+10】×14個
〘持久力の指輪:E〙【持久力+10】×10個
〘魔力の指輪:E〙【魔力+10】×16個
〘素早さの指輪:E〙【素早さ+10】×10個
〘器用さの指輪:E〙【器用さ+10】×15個
〘集中力の指輪:E〙【集中力+10】×12個

【属性+2】、【MP+30】の〘指輪:C〙は全てが1個以上ある。
ちなみに、自分の属性以外の指輪は、装備しても意味がない。

指輪は他の装備品と比べ、ドロップしやすいという特徴がある。
親指以外の、全ての指(8箇所)に装備可能だからである。
とは言え、これだけのドロップがあったのは、異常に高いレニータの[運ステータス]のおかげであった。

〘火の指輪:B〙【火属性+1】【MP+30】×2個
〘水の指輪:B〙【水属性+1】【MP+30】×3個
〘風の指輪:B〙【風属性+1】【MP+30】×2個
〘土の指輪:B〙【土属性+1】【MP+30】×1個
〘光の指輪:B〙【光属性+1】【MP+30】×1個
〘闇の指輪:B〙【闇属性+1】【MP+30】×2個

更に、一般の魔物からのレアドロップ品も、合計10個ほどある。
ランク:E~Cの物なのでそんなに強くはないが、売ればかなりの額になりそうだ。

武器以外で、防具を装備できる部位は上から…
頭、胴、腕(片手武器の場合は盾も)、腰~膝、膝以下の6部位に加え…
アイテムとして、首飾り、腕輪、ベルト、指輪(最大8個)、イヤリング(最大2個)だ。

人間は魔物に比べて、同じレベルでもステータスが低い傾向にある。
その足りない分を、装備やアイテムで補うのである。

逆に言えば、装備を整えたら、レベル以上の力を発揮出来る事になる。
そのため、装備品はランク:Eでも、金貨で最低300枚(菱金貨=3枚)以上と、メチャクチャ高価だった。
通貨については次のとおりである。

鉛貨=十円
銅貨=百円
銀貨=千円
金貨=1万円
大金貨=10万円
菱金貨=100万円
星金貨=1000万円

装備品以外の物価が非常に安いココの世界で、金貨1枚が1万円相当…
金貨で300枚(菱金貨=3枚)と言うと、4人家族が1年間、普通に生活できる金額である。

今更だが…ちなみにココの世界は〔ユーマレスト〕と呼ばれ、西、中央、東の3大陸からなる。
〔ゼニウス王国〕は東の大陸の東方に位置しており、物価はココの世界でも、更に安い方である。

「とりあえず、装備が揃うまでは、魔石以外の物は売らない方が良いみたいね…」
「まあこれだけの魔石があれば、学費位は出るでしょ」

レニータは【ニコラス】と【キャサリン】と共に、冒険者ギルドで、貯まっていた魔石を全て売却した。
そしてその報酬を見て3人とも目が飛び出た。

「えええ…?こんな大金…」

それはそうである。
約2か月間、毎日レベル62の【ゴルゴノス】を含め、5階層、10階層のボスも倒している。
勿論、普通の魔物からの魔石はドロップする。

銅貨=百円(ランクE・LV44以下の魔物の魔石)
銀貨=千円(ランクD・LV45~49以下の魔物の魔石)
金貨=1万円(ランクC・LV50~54以下の魔物の魔石)
大金貨=10万円(ランクB・LV55~59以下の魔物の魔石)
菱金貨=100万円(ランクA・LV60~64以下の魔物の魔石)
星金貨=1000万円(ランクS・LV65以上の魔物の魔石)

上記はボスが持つ魔石の価格で、一般の魔物はこれの10分の1の価格である。
また魔石以外にも魔物からは、安定して素材が取れる。

運が良いと、装備品のレアドロップもあるため、低ランクの冒険者でも生活が成り立つのであった。
星金貨38枚、菱金貨7枚、大金貨3枚、金貨4枚…これがレニータたちが受け取った報酬である。

超高額で有名な〔リメリアーナ魔法学校〕の、入学金は星金貨1枚、5年間の授業料は星金貨5枚。
3人分の授業料(星金貨15枚)を払っても、星金貨23枚と、それ以外の金貨全てが残る。

レニータは【ニコラス】と【キャサリン】に授業料の星金貨5枚ずつ渡したが…
「レニータさん、私たちは付いて来ているだけのようなもの…貰い過ぎです」

【ニコラス】と【キャサリン】は1枚だけ貰うと、残り4枚を返そうとしたが、レニータは受け取らなかった。
「いいよ、魔石だけでこんなに沢山残ったし、どうせ使い方が分からないしさ…」

【ニコラス】と【キャサリン】は、かなり戸惑ったが、好意を受ける事にした。
「レニータさん、本当にありがとう、おかげで助かりました…これから授業に専念する事が出来ます」
そう言うと2人は、深々と頭を下げた。

「いいよ、気にしないで」
レニータの悪魔付きの様な表情とは裏腹に、優しく思いやりのある態度。
2人はレニータの事が、もっと好きになった。

【11話に続く】⇦ココをクリック

 

 

★冤罪で殺されたら異世界に飛ばされました!★(9話)

翌日、ゆっくり休んでこれからの事を考えていると、魔法学校から案内状が届いた。
数日後と言っていたが、レニータを野放しにするのを、よほど危険だと思っているんだろう。

『早急に試験と面接に来られたし』と書かれている。
「なんだ…無条件で入学って訳じゃないのね…」

≪賢者≫、≪ダンジョンマスターB≫の≪称号≫を持つレニータは、少し不服に感じたが…
「ま、いっか~」
相変わらずのお気楽ぶりだった。

「そう言えば、≪ダンジョンマスターB≫の≪称号≫で補正がかかったんだっけ…」
「どれくらい変わったかな~?」
レニータはステータスを確認して見た。

★☆ メインステータス ☆★ [※数値は装備分を含む・()内は前回からの増量値]
≪賢者・ダンジョンマスターB≫
【レニータ・クラーク】(12歳)[職業=なし]
LV=6
EXP=61,375,000
HP=760(+140)
MP=980(+60)
SP=700(+50)

●サブステータス
筋力(物理攻撃力)  =410(+70)
丈夫さ(物理防御力) =470(+70)

知力(魔法攻撃力)  =670(+40)
精神力(魔法防御力) =650(+40)

持久力(HPに影響) =480(+90)
魔力(MPに影響)  =720(+40)

素早さ(速さ回避力) =410(+40)
器用さ(クリティカル)=460(+40)
集中力(スキルに影響)=640(+40)
運(ステータス上昇率)=590(+40)

●所持スキル
火属性魔法LV=20(MAX)
水属性魔法LV=17(+2)
風属性魔法LV=17(+2)
土属性魔法LV=19(+2)

光属性魔法LV=20(MAX)
闇属性魔法LV=13(+1)

杖術LV=20(MAX)
剣術LV=20(MAX)
槍術LV=20(MAX)

鑑定LV=16(+1)
精神異常耐性LV=18(+1)
状態異常耐性LV=16(+1)

●特技
火)《ファイアーバレット》(炎の弾)
  《ファイアーキャノン》(炎の砲弾)
  《ファイアーストーム》(炎の竜巻)
水)《アイスランス》(氷の槍)
  《アイスブリザード》(氷刃の吹雪)
風)《ウインドカッター》(風の刃)
  《テイルウインド》(身体能力向上)
  《ウインドレーダー》(探知)
土)《ストーンウォール》(石の壁)
  《アイアンウォール》(鉄の壁)
  《クリスタルシールド》(透明な魔法障壁)

光)《ライト》(光の玉)
  《エクストラヒーリング》(状態異常回復・精神異常回復・全身治癒)
  《ワープ》(空間移動)
闇)《アシッドレイン》(毒の雨)
  《ソウルハーデンス》(硬直)
  《アビリティハイディング》(能力隠蔽)

●特殊固有スキル
《無詠唱魔法》
《詠唱省略》
《解析》
《デュアル詠唱》
《朧月影》(神速の十字斬り)(New)

●装備アイテム
〘時の杖:SS〙
【魔法攻撃力+5】
杖術・剣術・槍術の熟練度UP速度増加】

〘レオンハートの首飾り:S〙
【HP+50、MP+50】
【筋力+30、丈夫さ+30、素早さ+50】

〘バーサクリング:B〙
【持久力+50】
【丈夫さ+30】
【筋力+30】

●所有アイテム
〘真実の指輪:S〙
〘フレイムアックス:A〙

ダンジョンマスターB≫の補正で、全てのサブステータス+30に加え…
攻略で得た値+〘バーサクリング:A〙で大幅にステータスが上がっていた。

「きゃあああーーー、やったーーー!!」
更に、剣技がレベル20のMAXになった事で、剣術を習ってないにも関わらず…
《解析》のおかげで、剣技《朧月影》が使用出来るようになっていた。

「今まで魔法の戦闘が主だったから、これはメチャクチャ嬉しい!」
「今なら【カーネリー】にも、勝てるんじゃないかしら…」

などと思ってみたがが、とりあえず案内状通り急いで学校に向かった。
しかし後々この選択が、自分が本当に強運の持ち主だったんだと気づかされるとは、夢にも思わなかった。

「《ワープ》!」
レニータは〔ゼニウス王国〕の首都〔セレンシアの街〕に移動した。

「そう言えば、お父様たちに別れの挨拶をして来なかったけど…」
「特別な用もないし、避けられてるからいっか」
顔に似合わず、性格はどんどん明るくなっていっているようだ。

〔ゼニウス王国〕で唯一の魔法学校である〔リメリアーナ魔法学校〕
西洋のお城のような建物は、正に魔法学校と言った感じである。

山の麓の高台にあり、広い校庭からは〔セレンシアの街〕が見渡せる。
その美しい学校は5年制で、1学年定員50名の、魔法に特化したエリートが集まっている。

前にも説明したが、貴族は遺伝子により、何かしらの属性を持って生まれると言われている。
そのため、生徒の8割は貴族であり、爵位によって差別される事が多い。

位は王族の [公爵] が一番上で次に、[侯爵]、[伯爵]、[子爵]、[男爵]、[準男爵]、[騎士爵]、となる。
レニータは[子爵]の娘とは言え、田舎貴族…学校での立場は低い方であった。

「ええっと、受付は…」
門をくぐったレニータは、校庭を抜けて校舎の方に向かっていると…

「ここは一般の方は立ち入り禁止です、すぐに立ち去りなさい」
丁度、校庭で授業をしていた、女性の教師に呼び止められる。

「私は〔クラーク領〕当主【レナード・クラーク】が長女【レニータ・クラーク】と申します」
「こちらに入学予定で推薦状を持って…」

そこまで話した所、校舎の中から50歳前後の男性の教師が走って来た。
メガネをかけたモヤシ体系で、いかにも魔術系と言った感じである。

「あなたが [クラーク家]のレニータさんですね、お話しは聞いております」
「私はこの学校の校長で、【イアン・ヘルナンデス】と申します」

「本来でしたら、12歳になった後の4月に入学試験が行われるんですが…」
「特例と言う事で、試験を実施して欲しいと、魔法庁より申し出がございました」

「学科は免除と言う事で、そうですね…うーーーん…」
「丁度、あちらで授業をしている【エマ・ミラー】先生は、優秀な土属性魔術師です」
「先生、ちょっと相手をして頂けますかな?」

「あら、いいわよ~、ちなみにレニータちゃんは何系の魔法が得意かしら?」
色気を漂わせながら、その女教師は言った。

「そうですね…どれかというと火属性魔法が得意な方かな…」
レニータは正直に答えた。

「攻撃魔法の火属性とは羨ましいわ~」
「それに、どれかって…他の魔法も使えるような言い方じゃない…」
「じゃあ、私が土魔法でシールドを作るから、それに向かって全力で魔法を放ちなさい」

ウィンクしながらそう言うと、【エマ】先生は、魔法を唱えた。
「集え鋼の粒子よ、盾となりて我を守りたまえ…《アイアンウォール》!」

「え?《アイアンウォール》って?」
「先生、それじゃあ魔法はあまり防げないと思うんですけど…」

「あらレニータちゃん、良く知ってるわね!」
「でもね…《アイアンウォール》と言えど、魔法攻撃力が相当高くないと、そうそう壊せるものじゃないのよ」

「私の土属性レベルは国内最高の15よ、安心して撃って来なさい」
自慢げに【エマ】先生は言った。

「15って、すでに私より低いけど…本当に大丈夫かな…」
「《クリスタルシールド》なら砕け散ったとしても、魔法の威力をかなり殺せるけど…」
「《アイアンウォール》は、どちらかというと物理防御よりだから、砕け散ったらヤバイと思うんだけど…」

レニータは魔法を撃つのをためらっていたが…
「もしかしてレニータちゃん、魔力はあるけど、まだ具現化出来ないのかな?」
「それじゃあ、筆記試験を受けて貰わないとね!」

その言葉を聞いたレニータは、周りの目を気にして、きちんと詠唱して魔法を唱えた。
「5割くらいの力でいいかな…」

「降り注げ業火の炎…嵐と成りて全ての物を焼き払え…《ファイアーストーム》!」
以前、レッド・ウィスプ【ホムザ】が使ってるのを聞いて、これだけは詠唱文を覚えていた。

しかし、初めてきちんと詠唱してから魔法を唱えたレニータは知らなかった…
普段の《詠唱省略》で唱えている時は、3割近く威力が落ちていると言う事を…

「あ…景色が火に包まれていく…」
《アイアンウォール》は一瞬で砕け散り、一緒に【エマ】先生も燃え尽きようとしている。

「いかん…」
「輝ける光の魂よ…優しく照らし傷を癒したまえ…《ハイヒーリング》!」
様子を見ていた【イアン】校長が、急いで回復魔法を唱えた。

多少の効果はあったが、それでもレニータの魔法の威力の方が高く…
体は炭から灰となり、燃え尽きようとしている。

「《エクストラヒーリング》!」
レニータも回復魔法を唱えたが、慌てていた為、《詠唱省略》を使ってしまった。

そのおかげで、三途の川を渡り終えようとしていた【エマ】先生。
どうにか渡り切る前に引き返して来れたようだ。

「なんと…火属性の上級魔法に加え、光属性の上級魔法まで…賢者の称号を持つと言うのは誠か!」
「神の使者ではという噂もあるが、あの魔法の威力…本当に恐ろしい子だ」

「とにかく、試験は合格だ、ついでに校内も案内するから私について来なさい」
【イアン】校長はそう言うと、校舎の方に向かって歩き始めた。

編入試験で、あの【エマ】先生を殺しかけた、ヤバイやつがいる…」
「漆黒の髪に鬼の形相の、殺人鬼が編入してきた…」

など、尾ひれを付けてこの噂は、瞬く間に学園中に広がった。
あながち間違いでもない気はするが…

校内の主だった場所を案内されたレニータ。
最後に校長室の、向かい合った長椅子に座るよう促された。

「ではこの書類に、正直に書き込んで貰えるかな?」
そう言うと、【イアン】校長は、[入学手続き]と書かれた紙を、レニータの前に置いた。

親の名前と爵位、住所などの下には、使える属性と魔法名などを書く欄がある。
そこに正直に記入したレニータ…それを見た【イアン】校長は、驚きのあまり言葉を失った。

そして深いため息をつくと…
「全属性持ちとは本当なのか…なんともハチャメチャな子だな…」

もう一度深いため息をつくと、【イアン】校長は一呼吸おいて質問してきた。
「おまけに…君は上級魔法は使えるのに、ライト以外の基礎魔法は使えないのかね?」

「はい、今まで誰かに習った事はなくて…その…」
忘れているようなので、《無詠唱魔法》や《詠唱省略》の事はほじくり返したくない。

魔法を覚えた経緯を誤魔化そうとしているレニータを見て…
「まあ、言いづらい過去もあるだろう、よかろう早速明日から1-A組で授業を受けなさい」
【イアン】校長は気遣って、優しく言葉をかけた。

寮の自分の部屋に戻ったレニータはベットに寝転がると、今日の魔法の事を思い出した。
「5割の力で唱えたのに、あんなに威力があるなんて…緊張してたのかな…」
騒々しい1日が終わり、疲れたレニータはいつの間にか眠っていた。

翌日、授業を受けるために1-A組に向かうレニータ…
廊下で会話していた者たち、すれ違う生徒たちがヒソヒソと、こちらを見ながら話をしている。

「はあ…相変わらずの冷ややかな視線ね」
まるで冷酷な殺人鬼を見るような、前世で感じたあの視線である。

案の定、クラスで席についたレニータには、誰一人近寄って来なかった。
1クラスの定員は10人、A・B・C・D・Eの5クラスで1学年の定員が50人。
実力順で分れていると、入学案内には書かれていた。

「ま、この髪の色にこの強面(こわもて)じゃね~…」
「せっかく転生したんだから、もう少し可愛くしてくれても良いじゃない…神様のバカ…」

そんな事を考えていると、クラスの担任である、男の先生が静かにドアを開けて入って来た。
「はい、皆さん席に座って~」
「諸君たちも入学したばかりだが、今日は編入生がいるので、名前を呼ばれたものは簡単に自己紹介するように」

【トーマス】先生はそう言うと、出席を取り始めた。
「まずは男子の諸君から」

【アッシュ・ゼニウス】ゼニウス国第3王子
【リオ・エドワーズ】侯爵次男
【エリアス・モーリス】伯爵長男
キャロル・バーネット】子爵三男
【ニコラス・ウイリアムズ】準男爵長男

「次に女子の出席を取る…」

【エリザベス・レイノア】公爵長女(王族であり第1王子【オーデル】の婚約者)
【クレア・ヘインズ】侯爵次女
【カレン・ヒルトン】伯爵三女
【キャサリン・レーノルズ】子爵長女

「そして最後が、今日編入した【レニータ・クラーク】子爵長女だ」
「はい!」
レニータはいつもより少し大きめで返事をしたが…
人を遠ざけて生きて来たレニータの声は、凄く小さく誰にも聞こえなかった。

「半年に1度の入れ替え戦までは、このメンバーがA組である」
「みんな仲良くするようにな…」

「はーい」
クラス全員が口を揃えて返事をした。

しかしまあ…美男美女が揃ったもんである。
クラス全員が、キラキラと輝き放っているように見える。
悪魔付きと言われてもおかしくない、レニータ以外…

「見てあの顔…まるで悪魔みたい…」
「やだー怖い…」

ホームルームが終わっても、誰も近づいてすら来ない。
チャイムが鳴ると、編入テストで燃え尽きそうになった、【エマ】先生が入って来た。

「はい、今日はレニータさんの初授業と言う事で、基礎のおさらいをするわよ~」
「みんなグラウンドに集合して」

「ええ…また基礎かよ…」
「なんで今更…」
生徒たちのグチが聞こえてくる。

「はい、ブツブツ言ってないで、さっさとグラウンドに集合!」
【エマ】先生は背中を押して、生徒たちを教室から連れ出した。

「はい、始めるわよ~まずは魔力についてのおさらいね」

『魔法とは、精神を集中して魔力をコントロールし…
それを具現化して放出する事で、効果を発揮するものである。』

「これはどういう事かと言うと…」
「まず、軽く目を閉じて体にある魔力の流れを感じるの…」

「そして意識を手のひらに集中」
「基礎魔法の詠唱文は、『○○よ、我に力を』よ」

「○○の部分に、自分が持っている属性を入れるの…ただし火属性だけは火ではなく炎(ほむら)だからね」
「私の場合なら…土よ、我に力を…《アース》!」
「こんな感じよ!」

「魔力の流れを自在にコントロールする事が出来ると、こうやって大きな岩にしたり、一瞬で砂に出来たりするわ」
「はい、みんなもやってみて~」

レニータも言われたようにやってみた。
確かに、魔力の流れを掴みコントロールする事で、上手くその力を引き出す事が出来る。
国王が学校を薦めた訳が、分かった気がした。

「この事は魔法学教科書の1~5ページに書かれてますので、各自家でも復習するように!」
「あとレニータさん、8ページから初級から上級魔法までの、詠唱文が書かれているから…」
「それもきちんと読んでおくように!」

「分かったかしら?」
【エマ】先生は、これ以上この子に魔法の事を教えて良いのかしらと…引きつった顔でレニータに問いかけた。

「はーい、分かりました」
レニータの返事はやはり…誰にも聞こえなかった。

「ちっ…無視しやがって偉そうに…」
「何、あの顔…」
他の生徒の不満そうな声が聞こえてくる。

「この顔は生まれつきなんだから仕方ないでしょ…」
一瞬そう思ったが、もう考えるのも嫌になり関わらない事にした。

とりあえず、全ての詠唱文を読んだレニータ…
なんと上級魔法までの全ての魔法を覚えてしまった。

それはそうである。
レニータには、特殊固有スキル《無詠唱魔法》があるのだから、一度でも詠唱して具現化したら忘れるわけがない。
また魔法学教科書を読んだ事で、知識(知力)が大幅に上がった。

そしていつもの声が聞こえる。
「4属性以上の全てで、上級魔法を唱えられるようになった事により、≪大賢者:R(レア)≫の称号を獲得しました」
「剣術レベルが10を超え、火属性付与が出来るようになった事により、≪魔法剣士:A≫の称号を獲得しました」
「槍術レベルが15以上で、《エリアハイヒール》を覚えた事により、≪聖騎士:C≫の称号を獲得しました」
「≪聖騎士:C≫の称号を獲得した事により、解析済の槍技《黒雷閃》が使用出来るようになりました」

「あなたは全ての≪称号≫を自覚したため、他人にも獲得した≪称号≫が認識されます」
「またステータスに、≪称号≫による補正がかかります」

★☆ メインステータス ☆★ [※数値は装備分を含む・()内は前回からの増量値]
≪大賢者:R・魔法剣士:A・聖騎士:C・ダンジョンマスターB≫
【レニータ・クラーク】(12歳)[職業=なし]
LV=6
EXP=63,816,000
HP=1020(+260)
MP=1180(+200)
SP=820(+120)

●サブステータス
筋力(物理攻撃力)  =520(+110)
丈夫さ(物理防御力) =630(+160)

知力(魔法攻撃力)  =850(+180)
精神力(魔法防御力) =800(+150)

持久力(HPに影響) =680(+200)
魔力(MPに影響)  =860(+140)

素早さ(速さ回避力) =510(+100)
器用さ(クリティカル)=610(+150)
集中力(スキルに影響)=790(+150)
運(ステータス上昇率)=700(+110)

●所持スキル
火属性魔法LV=20(MAX)
水属性魔法LV=18(+1)
風属性魔法LV=18(+1)
土属性魔法LV=20(MAX)

光属性魔法LV=20(MAX)
闇属性魔法LV=15(+2)

杖術LV=20(MAX)
剣術LV=20(MAX)
槍術LV=20(MAX)

鑑定LV=17(+1)
精神異常耐性LV=19(+1)
状態異常耐性LV=17(+1)

●特技
全属性魔法=《基礎~上級全て詠唱可能》(New)

●特殊固有スキル
《無詠唱魔法》
《詠唱省略》
《解析》
《デュアル詠唱》
《朧月影》(神速の十字斬り)
《黒雷閃》(状態・精神異常付与の乱れ突き)(New)

●装備アイテム
〘時の杖:SS〙
【魔法攻撃力+5】
杖術・剣術・槍術の熟練度UP速度増加】

〘レオンハートの首飾り:S〙
【HP+50、MP+50】
【筋力+30、丈夫さ+30、素早さ+50】

〘バーサクリング:B〙
【持久力+50】
【丈夫さ+30】
【筋力+30】

●所有アイテム
〘真実の指輪:S〙
〘フレイムアックス:A〙

「HPとMPが1000超えちゃったけど…大丈夫よね?」
レニータは人として認識されるか不安になったので、《アビリティハイディング》を唱え、能力を半減させた。

また《鑑定》レベルが16を超えたため、≪称号≫や[職業]のランクも見えるようになった。
Rはランクのない、レアリティな≪称号≫や[職業]らしい。

とりあえず、こっそりと隠れて具現化したので、クラスメイトにはバレていない。
基礎魔法も、わざと失敗して『落ちこぼれ』の印象を強調しておいた。
あのヤバイ噂を消したいし、ここでは『能ある鷹は爪を隠す』が正解であろう。

初日の授業が終わったレニータは放課後、食堂で少し早い夕食を取りながら、これから先の事を考えた。
「なんかもう、この学校にいる価値はない気がするけど…国王さんと約束しちゃったしなあ~」

「学費も稼がないといけないし…」
「良し、また夜中に抜け出して、ダンジョン攻略でも行くか」

早速席を立って部屋に向かおうと思った時、隣から私を呼ぶ声が聞こえた。

 

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★冤罪で殺されたら異世界に飛ばされました!★(8話)

次の日、冒険者ギルドに向かったレニータ…
早速、受付のお姉さんぽい人に声をかけた。

「すみません、冒険者登録をしたいんですけど…ここで良いですか?」
黄色のシャツに緑色のスカート、茶色のベストの制服を着た女性が驚いて答えた。

「あのね~お嬢ちゃん、大人をからかっちゃ駄目よ~ここは大人の真剣な仕事場なの…」
「どう見ても、10歳くらいでしょ、もう少ししてから来ようね~」

子供を癒すような口調で返答してくる。
それを見ていた周りの冒険者たちも、ニヤニヤと喜劇でもみるかのような視線を送っている。

「私の中身は21歳だし…それにココでも一応12歳よ…本当に失礼な人!」
カチンと来たレニータは、《ファイアーストーム》で焼き払おうかと思ったが…
国王様の顔もあるし、大人の態度を貫いた(見た目は思いっきり子供だけど)

「あの…それって国王様に言ってるんですか?私、推薦状を預かっているんですけど…」
その一言で、周りがシーンと静まった。

「え?国王様の推薦状…た…確かに承っております…」
「しかし、こんな小さな子供が来るとは…」
「少々お待ちください、只今ギルドマスターをお呼びいたします」

そう言うと、その受付嬢は慌てて2階に走って行った。
「国王様の推薦状だって?どうせ嘘か偽物じゃないのか?」
周りの冒険者の、色んな囁(ささや)きが飛び交っている。

「バーーーン…」
乱暴にドアを開ける音がすると、先ほどの受付嬢とギルドマスターらしき冒険者が慌てて降りて来た。

「あなたがレニータ嬢ですかい、確かに国王様に承っておりますぜ」
珍しいオレンジ色の髪をした、今が一番の働き盛りであろう、40歳くらいの男だ。

「いやな…突然、12歳の女の子をギルドに入れさせろって、無茶な事言ってくるんでさ~」
「ギルドの規則として、洗礼からの2年後…つまり14歳以上…」

「LVも30以上の見習いからって決まってるのんだぜ?」
「全くあの方も困ったお方でさ…」

「申し訳ないんだけどお嬢ちゃん、力を示さない限り入れるわけにはいかないぜ…いいな?」
この男、相当自信があるのだろう、余裕の素振りを見せつけている。

まあ考えてみれば、この街はこの国の首都な訳で…
それを守る冒険者ギルドの長なんだから、弱いわけがない。
「早速《鑑定》してみるかな…」

★☆ メインステータス ☆★ [※数値は装備分を含む]
≪魔法剣士A・ダンジョンマスターA・スペルマスター≫
サミュエル・ブレイン(39歳)[職業=セレンシア街ギルドマスター]
LV=62
EXP=12,348,500
HP=900
MP=680
SP=430

●サブステータス
筋力(物理攻撃力)  =450
丈夫さ(物理防御力) =480

知力(魔法攻撃力)  =420
精神力(魔法防御力) =410

持久力(HPに影響) =520
魔力(MPに影響)  =390

素早さ(速さ回避力) =320
器用さ(クリティカル)=360
集中力(スキルに影響)=380
運(ステータス上昇率)=220

●所持スキル
火属性魔法LV=13
光属性魔法LV=11

剣術LV=14

鑑定LV=10
精神異常耐性LV=8
状態異常耐性LV=10

●特技
火)《ファイアーバレット》(炎の弾)
  《ファイアーキャノン》(炎の砲弾)
  《エンチャントファイアー》(火属性付与)
  《ファイアーストーム》(炎の竜巻)

光)《マインドヒーリング》(精神異常回復)
  《ハイヒーリング》(ハイクラス治癒)
  《ポイズンヒール》(解毒)
  《ワープ》(空間移動)

剣)《一閃》
  《閃光両断》
  《閃光参斬》

●特殊固有スキル
《最後の一滴》(魔力枯渇状態で1度だけ魔法が使える)

●装備アイテム
〘ダイヤモンドソード:B〙
【HP+30】
【筋力+30】
【知力+30】

〘深紅のヘアバンド:B〙
【HP+50】
【筋力+30】

〘ダイヤモンドメイル:B〙
【HP+40】
【筋力+30】
【丈夫さ+30】

〘ダイヤモンドガントレット:B〙
【丈夫さ+30】
【知力+30】
【精神力+20】

〘ゴーレムシールド:B〙
【丈夫さ+80】

グリフォンウィングの靴:B〙
【HP+30】
【筋力+30】
【素早さ+20】

〘レッドコカトリスの指輪:B〙
【知力+30】
【器用さ+30】
【集中力+20】

〘炎の指輪:B〙×3個
【火属性+3】
【MP+90】

〘光の指輪:B〙×4個
【光属性+4】
【MP+120】

「あちゃー何これ…高い筋力と丈夫さは、ほぼほぼ装備品のおかげでしょ…」
「そう言えば私、装備って【レオン】から貰った首飾りだけだった…」
「私も装備品、集めてみようかしら」

そんな事を考えていたレニータだったが、【サミュエル】は、力を誇示するように話を進めた。
「まあ、試験的に模擬戦闘でも良いんだが…私の《鑑定》レベルは10」
「この国一番でさー…いくらステータスを改善してもバレるのさ」

「とりあえず、ギルドカード発券機で調べてみるかい」
どうやらギルドカード発券機は主なステータスも見れるようだ。

「お嬢ちゃん、この水晶を見ながら、ギルドカードに触れてくれるかい?」
「《ステータスインプット》と…」
ギルドカードに登録される、現在のステータスが洗礼と同じく、所持スキルまで写し出される。

★☆ メインステータス ☆★ [※数値は装備分を含む・()内は前回からの増量値]
≪賢者≫
【レニータ・クラーク】(12歳)[職業=なし]
LV=6
EXP=57,698,200
HP=620(+10)
MP=920(+10)
SP=650(+10)

●サブステータス
筋力(物理攻撃力)  =340(+10)
丈夫さ(物理防御力) =400(+10)

知力(魔法攻撃力)  =630(+10)
精神力(魔法防御力) =610(+10)

持久力(HPに影響) =390(+10)
魔力(MPに影響)  =680(+10)

素早さ(速さ回避力) =370(+10)
器用さ(クリティカル)=420(+10)
集中力(スキルに影響)=600(+10)
運(ステータス上昇率)=550(+10)

●所持スキル
火属性魔法LV=20(+1)
水属性魔法LV=15(+1)
風属性魔法LV=15(+1)
土属性魔法LV=17(+1)

光属性魔法LV=20(+1)
闇属性魔法LV=12

杖術LV=19(+1)
剣術LV=19(+1)
槍術LV=19(+1)

鑑定LV=15(+1)
精神異常耐性LV=17(+1)
状態異常耐性LV=15(+1)

「はあ?おいおい機械が壊れちゃったのか…?数値が異常だぜ…」
「と言うか、レベル6にして『賢者』は無いだろ!」

「アカン…これの修理にいくらかかるんや…前回メッチャ高かったんだよなあ…」
「はあ~…」

深いため息をつきながら、【サミュエル】は確認の《鑑定》を行った。
上にプラスして、装備アイテムまで確認できる。

●特技
火)《ファイアーバレット》(炎の弾)
  《ファイアーキャノン》(炎の砲弾)
  《ファイアーストーム》(炎の竜巻)
水)《アイスランス》(氷の槍)
  《アイスブリザード》(氷刃の吹雪)
風)《ウインドカッター》(風の刃)
  《テイルウインド》(身体能力向上)
  《ウインドレーダー》(探知)
土)《ストーンウォール》(石の壁)
  《アイアンウォール》(鉄の壁)
  《クリスタルシールド》(透明な魔法障壁)

光)《ライト》(光の玉)
  《エクストラヒーリング》(状態異常回復・精神異常回復・全身治癒)
  《ワープ》(空間移動)
闇)《アシッドレイン》(毒の雨)
  《ソウルハーデンス》(硬直)
  《アビリティハイディング》(能力隠蔽)

●特殊固有スキル
《無詠唱魔法》
《詠唱省略》
《解析》
《デュアル詠唱》

●装備アイテム
〘時の杖:SS〙
【魔法攻撃力+5】
杖術・剣術・槍術の熟練度UP速度増加】
※5秒ごとに最大HPの1%を自動回復

〘レオンハートの首飾り:S〙
【HP+50、MP+50】
【筋力+30、丈夫さ+30、素早さ+50】

「ま…間違いじゃないのか…」
【サミュエル】は、戦慄を覚えた。

ほぼ装備をしていないにも関わらず、この数値…
特に魔法系の数値は異常である。

「ねえギルドマスターさん、模擬戦闘の試験はするの?」
「私は別に構わないよ?」

「《ファイアーストーム》を《デュアル詠唱》しても、相手も火属性持ちだし、死なないかもね…面白そう~」
などと妄想しているレニータであった。

「おいおい、国王さんよ…それならそれで、最初に言っておけってな」
「こんな化け物相手にしたら、間違いなく一瞬で死んじゃうだろ…」

「は?化け物?誰の事かしらね~?」
ステータスの高いレニータには、呟きすらハッキリと聞こえている。

「い…いや…す…すんません…何でもないです…ハハハ…」
【サミュエル】は汗だくになりながら、誤魔化した。

この場にいた全員が、絶対にこの子を怒られてはいけない!
顔を見合わせて、そう思ったのだった。

とりあえず、登録可能と判断されたので、[ギルドカード]の発券が始まった。
受付嬢はレニータの左手の人差し指を、軽く針で突いた。

「ここに一滴、血の付いた指紋を付けて…そのままもう一度、カードに触れて魔力を注いで下さい」
「次回からは、ここにカードを置いて魔力を注ぐだけでOKです」

発券機の中央の水晶板のような物の上に、カードを置くようだ。
「現在のランクやステータス、クエスト受注状況、魔石やドロップ品の総販売額などが見れます」

受付嬢は黙々と説明を進める。
「これがあなたの[ギルドカード]です」
「再発行には凄く高い再発行手数料がかかりますので、無くさないよう気を付けて下さいね」

「そしてこれが[ギルドカード]と連携されている、[アイテム袋]です」
「[アイテム袋]はその人の魔力量に応じて、中の容量が決まります」

「無限になんでも入るわけではないと言う事…」
「そしてギルド登録の抹消と同時に、使用出来なくなると言う事を覚えておいて下さい」

「現在のあなたのランクはEランクです」
「ランクはSSSランク~Eランクまで8つに分かれています」

「本来は一つ上のランクの依頼受注やダンジョン攻略しか出来ないのですが…」
「国王様の命により、Bランクまでの全ての活動を許されています」
「この情報は、[ギルドカード]に登録されていますのでご安心下さい」

「他に何か分からない事などございますでしょうか?」
受付嬢は一通りの説明が終わり、こちらに質問をして来た。

「いや、大丈夫です…ハハハ…」
注目を浴びているのに気付いたレニータは、そっと帰ろうとしたが…

「いや~流石、国王様が推薦するだけの事あるね!」
「クランやパーティーは決めてるの?良かったらウチに来ない?」
勇気のある青年が誘ってきた。

万一にも来てくれたらラッキーてな感じだったのだろう。
それを皮切りに色々なクランやパーティーが話しかけて来た。

レニータはこっちの世界に来て初めて、沢山の人から話しかけられ…
戸惑いつつも、心の底では本当はとても嬉しかった。

「ごめんなさい、私は魔法学校に通うつもりなので、今すぐ入る気はないんです」
「本当にごめんなさい」

そう言うと、レニータは顔を真っ赤にして、ピューっと走って逃げ出した。
「クランか…私もいつか入ったりするのかな…」

ちなみにクランとは会社のようなもので、パーティーが部署みたいなものだと考えると早い。
狩りやクエスト、ダンジョン攻略などを行うにあたって…
役割分担を決めた複数人で取り組んで、効率を上げるのが目的と思えば良いだろう。

レニータは《ワープ》で家に戻ると、ベッドに寝転びながら考えてみた。
「いつか…心から信用出来る人と、沢山の人を救っていけたらいいな~」
レニータはそう願いながらウトウトと眠りについた。


次の日、魔法学校の推薦状が届くまで、【ホムザ】にリベンジに行きたいが…
なんと[ギルドカード]に登録したため、Bランク以上のダンジョンに入れなくなってしまった。

「ガーーーン…こんなオチがあるなんて…」
「仕方ない…新しい所を探すか…」

丁度その時、家の傍に新しく、Bランクのダンジョンが発生したとの情報を得た。
ギルドから、[ギルドカード]にメールが届く仕組みである。

「こういうトコは無駄にハイテクよね…まあ助かったけど…」
レニータは急いで【レオン】に乗り、新しく出来たダンジョンに向かった。

初めて正面から入るダンジョン。
入口の掲示板に情報が表示されている。

「ぶっ!!」
レニータは掲示板を見るなり、吹き出し

■ ダンジョン案内板 ■

名称 =カムク町のダンジョン[オースティン]
ランク=B
総入場者=35名
最高到達階層=4F

「うちのじいさん、何やってんのかしら…」
ダンジョン名は、執事の【オースティン】と同じである。

「この侵入者数で同名はあり得ないわね…余程私に負けたのが悔しかったのね!」
「ま、中で合流するかな~」
レニータも奥へと進もうとした時、入口の護衛に止められた。

「まさかお嬢さん、一人で中に入る気じゃないだろうな?」
「と言うより、まだ歳が足りてないように見えるが[ギルドカード]はあるのかね?」
鋭い眼光でこちらを見ながら、護衛の2人は話しかけて来た。

ダンジョンから万一魔物が溢れ出た際に、それを討伐する王国近衛兵団の騎士が護衛である。
≪上級騎士:B≫、≪上級魔術士:B≫以上の≪称号≫がないと、その任に着く事は出来ない。

2人とはいえ、それなりの実力を備えているのであった。
それだけに礼儀作法に厳しく、その眼光はとても鋭かった。

「勿論、持っています、国王からBランクまでの全ての行動を許可されています」
レニータは護衛から、案内板に[ギルドカード]をかざす様に説明した。

カード情報が掲示板に読み込まれると、掲示板が緑色に光った。
どうやら条件クリアのサインらしく、入場条件に反する時は赤く光るらしい。

「失礼しました、どうぞお通り下さい」
護衛は塞いでいた槍を掲げると、手を奥に促した。

中は狭く、幅と高さは20m程である。
レニータは《ライト》を唱えると、早速【レオン】を呼び戻した。
流石に護衛の前を【レオン】を連れて歩くと面倒な事になりそうなので、一旦戻しておいたのである。

ランクBの低階層、全く苦労する事もなく5階のボス部屋に辿り着いた。
開かない扉で察するに、どうやら他のパーティーが戦闘中のようである。

そこに脇道に逸れ、迷子になっていた【オースティン】が現れた。
迷子になっている間に、他のパーティーに抜かされてしまったようだ。

「あら、やっぱり【オースティン】だったのね…」
「仕事もしないで、こんなダンジョンに籠るなんて…」
そこまで言うと、ムッとした顔で【オースティン】が言葉を発した。

「きちんと仕事はしております」
「すでに今日の分は終わらせましたし、トレーニングで体を維持するのも大事な仕事」
「旦那様に許可も頂いております」

レニータに対抗意識を燃やしているようである。
「まあ、私には関係ないし好きにしていいけど…」
「もうすぐボス部屋の扉が開くだろうし、合流するの?」
「合流しないなら、先に着いた私たちが先に入る事になるけどね~」

レニータは対抗心を煽るように言い返した。
「くっ…」

【オースティン】はちょっと悔しそうな態度で下唇を噛むも、レニータに勝てるわけはなく…
あえなく合流する事となった。

「さてと、扉も開いたし行くわよー!」
「レッツらゴー!」
遠足にでも来ている気分のようだ。

まあ、その態度が示すように一瞬でボスを倒すと、6階へと進んで行った。
「大して魔石は集まらないし…ああ~孤島のダンジョン《レオンハート》が懐かしいわ~」

全く緊張感のないレニータに呆れていた【オースティン】だったが、それもそのはず!
10階のボスも《ファイアーキャノン》一撃で倒してしまった。

「ドロップ品も良いの出ないし、魔石を拾うのも面倒よねえ~」
「何かいい方法はないかしら?」

その言葉に反応したのは【レオン】だった。
「私は召喚獣と言っても、契約を交わしたわけではなく…」
「ドロップアイテムの首飾りの付属として、あなたを守っているような存在だ」

「魔物の中には、戦闘中に信頼を勝ち得ると…」
「その体にあなたの魔力を受け入れられるようになり…」

「充分な魔力が注がれると、契約紋が浮き上がり契約を交わす事が出来る」
「それが召喚術で、命を落とさない限り主人の命令を遂行するのが、召喚獣と言うものだ…」

「その召喚獣と幾多の戦闘をくぐり抜け、信頼が深まる程…」
「拾う早さや、一つの行動での拾う個数が多くなると言われている」

「レベルが高いほど優秀だが、注ぐ魔力の量も大幅に増えるから…
「高レベルダンジョンに行った時に、実際に試してみると良いだろう」

珍しく【レオン】の口数が多い。
どうやら機嫌は治っているらしい。

そうこう話しているうちに、レニータたちは15階のボス部屋に辿り着く。
流石に先着したパーティーはいないようだ。

「ま、Bランクの15階層じゃねえ…たかが知れてるわね!」
躊躇する事無く、扉を開いたレニータ!
部屋の中央で佇むボスを《鑑定》してみた。

★☆ メインステータス ☆★
≪ダンジョンボス≫
ケンタウロスバーサーカー【ジルド】
LV=61
HP=830
MP=520
SP=480

●サブステータス
筋力(物理攻撃力)  =470
丈夫さ(物理防御力) =430

知力(魔法攻撃力)  =270
精神力(魔法防御力) =400

持久力(HPに影響) =510
魔力(MPに影響)  =220

素早さ(速さ回避力) =340
器用さ(クリティカル)=370
集中力(スキルに影響)=300
運(ステータス上昇率)=200

●所持スキル
土属性魔法LV=12
斧術LV=15

精神異常耐性LV=10
状態異常耐性LV=10

●特技
土)《ストーンウォール》(石の壁)
  《アイアンウォール》(鉄の壁)
  《クリスタルシールド》(透明な魔法障壁)
  《アースクエイク》(地震で地面を割る)

斧)《大車輪》
  《裂地斬》

●特殊固有スキル
《灼熱の斧》(攻撃が触れた所を溶岩に変える)

●装備アイテム
〘フレイムアックス:A〙
【知力+50】
【筋力+50】
【HP+50】
【器用さ+30】

〘マグマメイル:B〙
【丈夫さ+50】
【持久力+30】

〘バーサクリング:B〙
【持久力+50】
【丈夫さ+30】
【筋力+30】

「まあ、装備品を足してこれじゃあ、基礎ステータスは大した事ないわね!」
「一気に行くわよ!」

【レオン】は《テイルウインド》を…
【オースティン】は《ソウルハーデンス》を唱えた。

それと同時に【ジルド】も魔法を唱えた。
「輝き続ける恵の大地よ…盾となりてその身に魔力を集束し、力を散らせ」
「《クリスタルシールド》!」

【ジルド】は魔法の効果を防ぐと、斧を天に掲げ、特殊固有スキル《灼熱の斧》を使った。
振り回す斧が触れるたびに、そこがマグマと化し溶けていく。

「斧技《大車輪》」
振り回す斧の速度が上がり、体ごとクルクルと駒の様に回り始めた。

「流石にあれじゃ近づけないわね…」
レニータたちが後方に距離を取った瞬間、【ジルド】の動きが変わった。

「斧技《裂地斬》」
飛び上がった【ジルド】から、真っすぐと斧の衝撃波が走り大地が割れる。

どうにか交わしたと思った瞬間、【ジルド】の魔法が唱えられた。
「荒れ狂う怒りの大地よ…吹き出せ、湧き出せ、今、その力を開放せよ…」
「《アースクエイク》!」

レニータたちを尖った岩が次々と襲い避ける事に集中していたその時、大地が消えた!
深い穴に落ちていくしかないレニータたちだが、【レオン】は飛べるのである。

「あっぶな~…【レオン】が飛べなかったら《ワープ》で脱出するしかなかったっしょ」
「油断しすぎてた…」
「あんな連続攻撃で来るなんて、流石レベル60オーバーのネームドね」

「良し【レオン】、《アイスブリザード》の2重攻撃行くわよ!」
「了解した!」

その言葉と共に【レオン】は《アイスブリザード》を唱えた。
【ジルド】は大技の連発でディレイタイムに入っているようである。

レニータもデュアル詠唱で《アイスブリザード》を放った!
2つの氷の刃でカチカチに凍結した【ジルド】に向け、レニータはもう片方の魔法を放った。

「《ファイアーストーム》!」
普通なら融解して溶けてしまうのだろうが、今のレニータの魔法の威力は凄まじかった。
塵に変わる事もなく、【ジルド】燃え尽きて消滅してしまった。

「あらま、さすがに威力が大きすぎたわね…」
「ドロップ品、残ってるかしら…」
レニータたちは魔石を拾うために、下に降りた。

消滅したその場には、巨大な魔石と一緒に、『フレイムアックス』と『バーサクリング』が残されていた。
「やったー!まともなドロップ品って初めて!」
「こんなに嬉しいものなのね~…なんか宝くじに当たった気分」

そしてドロップ品を拾った瞬間、いつもの声でアナウンスが流れた。
「あなたはこのダンジョンを、初めて攻略した冒険者になりました」
「称号、《ダンジョンマスターB》を獲得しました」
「それにより、ステータスに補正がかかります」

「またダンジョン攻略者は、強制的に退出させられます」
そのアナウンスが終わると、レニータたちは魔法陣に包まれ、入口に戻されていた。

「え…?う…嘘だろ…?」
驚いたのは、ダンジョン入口の護衛の2人である。

数時間前に入ったと思ったパーティーが、入口から戻って来るのではなく…
魔法陣で戻って来ると言う事は、そのダンジョンを攻略した証だからである。

■ ダンジョン案内板 ■

名称 =カムク町のダンジョン[オースティン]
ランク=B
総入場者=47名
最高到達階層=15F
ダンジョン攻略者=【レニータ・クラーク】
[地図はココをクリック] [ボス情報はココをクリック]

ダンジョン案内板も、攻略者名が記され、地図とボス情報のページも増えていた。
「ガーーーン…私の名前が残ってしまった…」
「あまり目立ちたくなかったのに…」

しかしレニータの不安をよそに、この話は一気に広まった!
ダンジョンに初めて挑戦したランクEのパーティーが…
ランクBのダンジョンを、僅か数時間で攻略したらしい…と…

ただ〔ゼニウス王国〕の東の最果ての〔カムク町〕のBランクダンジョン。
入場者も僅かのうちに攻略され、帰りに案内板を確認して帰る冒険者もなく…

わざわざここまで来る奇特な冒険者もいなかったため、色々な噂が飛び交った。
その噂の中に【レニータ・クラーク】の名前が無かった事が、不幸中の幸いであろう。

 

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